貧しくともやり直しのできる社会を!
私達はホームレス支援基本法の制定を求めます。
ホームレスTOKYO大行進2000

私達は東京各地における、野宿を余儀なくされた人々、日雇労働者、雑業者、生活保護受給者など、社会の底辺で呻吟を続ける人々の諸権利、生活の改善向上を求めたたかっている団体です。

野宿者は今や全国で2万人を突破し、公園、河川敷やビルの谷間を居所にして暮らさざるを得ない人々の姿はどこへ行っても見受けられます。これらの人々が日雇労働や雑業仕事をしながら何とか食い扶持だけは確保しようとしても、昨今の不景気、産業構造の変化、就労年齢差別などにより、ほとんどその職すらないというのが現状です。簡易旅館やサウナや飯場で暮らしながら日雇仕事に従事している人々も就労が安定しない中で生活に困窮し、日々居所を失う人々が排出され続けています。アパートや住込み寮などに暮らしながら中小零細企業やサービス業末端で働き続けてきた人々もまた「倒産」「リストラ」などの憂き目に合えば、最悪な場合野宿をせざるを得ないような過酷な現状が横たわっています。
政府の「雇用創出」の掛け声は空しく、失業率も戦後最悪水準を維持し続け、とりわけ中高年齢者の最就職は失業保険ももらっている人々でさえ難しい中、政府、行政はそのことに目をつぶりながら「IT革命」などと、高学歴、若年者層が必要とされている産業分野のみを保護しようとしています。スキル不足である中高年齢者、肉体労働に従事してきた中高年齢者に対する雇用確保策はほとんどと言っていいほど行なわれておらず、他方で社会保障制度も次々と改悪され、またその中での行政サービスも職員の「リストラ」の中、適正な運用がされないという状態にまでなっています。
労働組合でさえ不当な解雇を容認するという時代の中、何らの抵抗する力がない個々に分断させられた一人ひとりの労働者、とりわけ「負け組み企業」の労働者」は経営責任を労働者に皺寄せする「賃金カット」「労働強化」「退職強要」「首切り」の嵐の中で、生活基盤そのものが脅かされ、そして破壊させられています。

公園のテントハウスに象徴される今日的貧困の在り方は、このような社会経済的な背景を根拠に生まれ、そして泥沼的に進行しています。景気は「底を打った」と言われながらも、その実感のあるのは政府の経済政策に保護されている一部の人達だけでしょう。貧しき民を極限的に増殖させながら、「新富裕層」と呼ばれる一部の人々が人生を謳歌する。こういう構造にこの国はなりつつあります。

私達は貧しき人々を放置し、固定化させながら再びの「繁栄」を望もうとするこの国の在り方に反対します。私達は貧しき人々もまた同じ社会の構成員である事を認め、社会的に排除することなく、貧しくとももう一度やり直しのできる選択肢可能なチャンスを均等に作り出すことを提唱しています。やり直しのできる社会、これが私達のささやかながらの望みです。
ホームレス(現に野宿を余儀なくされている人々も含め、野宿状態にいつなってもおかしくない経済的、生活的、居住的困難を持っている人々)状態の人々に対し、行政の視点は冷酷です。国や地方自治体は人権を守ると言いながら、就労自立の機会すら広く設けず、焼け石に水、雀の涙程度の「対策」しか行なわず、東京においては百五十名規模の自立支援センターを開設するために三年もの月日を費やしています。そしてそれのみならず、建設省や建設局は野宿者の強制排除を常にちらつかせ、事ある度に小規模な排除を繰り返し続けています。96年青島都政が行なった新宿駅西口地下通路強制排除事件がどのような都民の反応と顛末を向かえたのかすら今となっては忘却の彼方のようです。しかも、国や地方自治体は現に野宿している人々だけの「対策」(もはや対応にしかならないが)に限定し、潜在的な野宿者には何等の視点も行き届かず、実際の施策もないが故に、次から次へと新たな野宿者を生み出しています。
私達は、このような状況を貧しき人々と共に変え、この国をやり直しのできる社会にしていくために、「ホームレス問題に関する政策提言2000」を発表すると同時に、「ホ−ムレス支援基本法」「自立支援事業関連法」制定を求める運動に着手しました。
その初段のたたかいとして来る10月20日には総決起集会を新宿大久保公園で開催した後、永田町に移動し、ホームレス運動初の国会要請デモを行なうこととなりました。また翌21日には全国反失業闘争実行委員会主催の全国集会、銀座ー霞ヶ関デモに参加し、全国の貧しき人々と共に隊列を組んで行くことも決定しました。

全ての皆さん!とりわけ日々の暮らしを厳しい状況の中で過ごしている皆さん!私達の状況は単に今の社会の構造が極限的に発露されただけの状況です。決して他人事の問題ではありません。共に、この国へ意義申立をしていきましょう!

貧しき民の大連合(事務局・新宿連絡会)


   ?111-0021東京都台東区日本堤1-25-11山谷労働者福祉会館・新宿連絡会気付
   ?03-3876-7073もしくは090-3818-3450(笠井)FAX 03-3876-7073
   


ホームレスTOKYO大行進2000

富める者の街・新宿ー永田町ー霞ヶ関ー銀座に貧しき民の叫びを!
貧しくともやり直しのできる社会を!路上死のない21世紀を!
ホームレス支援基本法を制定させよう!

秋期闘争スケジュール

9月22日 (金)  都庁前大集会      午前11時 都庁前集合
9月29日 (金)  都庁前大集会と代表交渉 午前11時 都庁前集合
10月6日 (金)  新宿区役所前大集会と新宿駅頭大情宣 午前10時 新宿区役所前集合
10月13日(金)  新宿区役所前大集会と団体交渉    午前10時 新宿区役所前集合
10月18日(水)  国会行動 午前11時 日比谷公園霞門前集合
10月19日(木)  国会行動 午前11時 日比谷公園霞門前集合
10月20日(金)  貧しき民の総決起集会 午前10時30分 新宿大久保公園
         新宿繁華街デモ     正午デモ出発(終了後永田町まで電車で移動)
         国会請願永田町デモ  午後2時 社会文化会館前集合デモ出発(日比谷公園解散)
10月21日(土)  反失業全国集会 午後1時 銀座水谷橋公園
         銀座、霞ヶ関デモ 午後2時デモ出発(日比谷公園解散)

10月22日(日)  反失業全国交流集会 午前9時30分 文京区民会館3A会議室


貧しくともやり直しのできる社会を!
雇用確保と就労機会の保障、低家賃住宅の保障、市民的権利の保障を求め、国会に貧しき民の声をあげよう!
ホームレス TOKYO 大行進 2000 

 「バブル崩壊」「長期不況」「産業構造改革」「リストラ」「失業」「倒産」これらの言葉に象徴される今日の社会経済的変化は私達が長年活動をしている社会の底辺部においても激震とも言える大きな変動をもたらしました。山谷、高田馬場など「寄せ場」と呼ばれている日雇労働市場は極端に冷え込み、日雇労働や飯場での契約労働に従事していた多くの人々(とりわけ中高年齢者)は一挙に長期失業、長期半失業を余儀なくされました。また、所謂「負け組」中小零細企業の工場やサービス業の倒産や合理化によりかつては都市産業の低部で汗水流し働き続けてきた人々もまた同様の憂き目にあっています。
 私達をめぐる現状は、これら社会経済的な激変が単に職を無くすというに止まりません。退職金も一時金もなく、また無保険の職場が圧倒的と、相対的に無権利状態に置かれていた関係上、失業後には極端に経済的に逼迫させられ再就職の資金すらも持てません。また、住み込み、飯場、簡易宿泊所、低家賃アパートと不安定な居所に住まざるを得なかった関係上、それまでの居所をすぐに失い易く、頼るべき親族や友人などが不幸にしていない人々は、「路上生活者」など、いわゆる住所不定の生活を余儀なくされています。「路上生活者」の数は行政統計でも確認出来る通りこの近年急増しています(東京都の最新調査でも23区内で5700人)。それは大都市部のみならず大都市の近郊都市などにも波及している所です。
ホームレスはこの国にたまたま発生した問題などではなく、同様の事例が80年以降、他の先進諸国でも問題化してきた通り、戦後期に培って来た社会保障などの諸制度の機能不全がもたらした犠牲者であります。終身雇用制が終焉に近付き、フロー化された労働市場が産業から求められている今日、それに対応できない人々を切り捨て、放置しているのが、今日のわが国の制度であり、政策であります。
 私達はこの現状を直視し、ホームレス問題に関する政策の基本理念を国が責任をもって打ち立てるべきであろうと考えます。その上で現象面を糊塗・排除する目的だけではないホームレスの社会参加を促す現実的、計画的な支援策を国と地方自治体が協力しながら実施すべきだろうと考え、それを強く求めています。
 が、厚生省は政府の「指針」にも、東京都の「路上生活者対策大綱」にもない、テント解消だけを目的とした「大規模宿泊施設」の構想を打ち出しました。これはテント生活をしている人々をただ「収容」するだけの施設で、雇用対策とも住宅対策とも何らリンクしないものです。施設が出来ることは良い事ですが、問題はどのような施設が出来るかこそが、問題なのです。現にこの計画は大阪市長居公園において先行的に実施段階に入っていますが、テント生活者の多くが先の見通しもない施設、強制排除を前提にした施設に入る事を拒否しています。また、東京都福祉局の政策調整部長でさえ「東京にこのような施設を作るつもりはない」と交渉の場で明言しています。現場に混乱をもたらすだけの施策ではなく、まだまだ働ける人々が就労自立に結びつくような(11月に開設予定の自立支援センターのような)抜本的な施策、政策こそが求められているにもかかわらず、それに逆行するかの如き施策が議論も経ず勝手に打ち出された事に私達は強い怒りを覚えています。
 私達はこのような国の姿勢を糺し、「共生」「自立」という観点から、当事者の人格、人権を認め、その能力を引き延ばして行く事を主眼とした施策を求めます。私達は国に雇用確保、就労機会の保障、低家賃住宅の保障、生活保護法の適正運用、市民的権利の保障を求めます。
 そのため、私達は来る10月20日新宿で総決起集会を開催した後、国会に対する初の請願デモを行います。また翌21日には反失業全国行動実行委員会主催の銀座・霞ヶ関デモに合流します。

 この秋、東京都心部に響き渡る貧しき民の声に是非耳を傾けて下さい。

新宿連絡会


 東京都台東区日本堤1-25-11山谷労働者福祉会館気付
 ?03-3876-7073/090-3818-3450?03-3876-7073
 カンパ金送り先
    郵便振替口座:00170-1-723682「新宿連絡会」


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