2003年前半のチラシ集はこちら

新宿連絡会チラシ第五集(2003年7月6日より)

2003年7月6日新宿連絡会チラシ
2003年7月13日新宿連絡会チラシ
2003年7月20日新宿連絡会チラシ
2003年7月27日新宿連絡会チラシ
2003年8月3日新宿連絡会チラシ
2003年8月17日新宿連絡会チラシ
2003年8月24日新宿連絡会チラシ
2003年8月31日新宿連絡会チラシ
2003年9月7日新宿連絡会チラシ
2003年9月14日新宿連絡会チラシ
2003年9月21日新宿連絡会チラシ
2003年9月28日新宿連絡会チラシ
2003年10月5日新宿連絡会チラシ
2003年10月12日新宿連絡会チラシ
2003年10月19日新宿連絡会チラシ
2003年10月26日新宿連絡会チラシ
2003年11月2日新宿連絡会チラシ
2003年11月9日新宿連絡会チラシ
2003年11月16日新宿連絡会チラシ
2003年11月23日新宿連絡会チラシ
2003年11月30日新宿連絡会チラシ
2003年12月7日新宿連絡会チラシ
2003年12月14日新宿連絡会チラシ
2003年12月21日新宿連絡会チラシ


夏が来た
今年の新宿夏まつりは8月9-10日に決定。
来週は中央公園、戸山公園で医療相談会があります。

 仲間たち。
 早くも梅雨明けを思わせるかのような灼熱の太陽が、路上を照らしつけている。夏の訪れである。今年の夏は猛暑となりそうな予感があるので、とにかく体力保持、そして健康管理は徹底していきたい。
 来週の日曜日には定例の医療相談会が中央公園、戸山公園で実施される。虫刺されの薬、かぜ薬、胃薬などをどっさりと用意する予定なので健康管理のために利用してもらいたい。もちろん、医師による問診もあるので、調子の悪い仲間は「紹介状」を書いてもらうと、気軽に福祉から病院に通院できる。相変わらず救急車で運ばれる仲間が多い新宿だけに、無理をせず重篤になる前にキチンと治療をしていこう。
 蒸し暑さが体力を消耗させ、結核なども流行り出すのが夏場の傾向でもある。今年一度も結核検診をしていない仲間は、今月31日に新宿福祉、新宿保健所が合同で行なう「無料結核検診」に行ってみよう。中央公園のナイヤガラの滝広場でテントを貼って行なうので気軽に参加できる。戸山公園でも8月に予定されているので、高田馬場駅周辺の仲間はそちらも利用できる。
 もちろん、月曜日の福祉行動は休まず続けているので、福祉を通して病院にかかりたい仲間仲間、身体が汚れてシャワーを浴びたい仲間、飯場へ行くのに交通費を借りたい仲間など、福祉事務所で行なっている各種サービスを利用したい仲間で、手続きが分からない、一人じゃ不安だと云う仲間は気軽に俺たちに声をかけてもらいたい。
 1日の新宿区での大田寮抽選には98名の仲間が並んだ。が、入れたのはたったの20名だけである。台東や墨田では週に一回受付をして枠を目一杯利用しているのに、新宿区や豊島区、渋谷区は月に一度しか受付をしていない。実にもったいない対応である。それでなくとも「自立支援センター渋谷寮」の新設などが遅れている事などもあり、各区の割当は小さいのだから、新宿区には40名近い枠を目一杯有効に使うよう訴えていきたい。
 他方、厚生労働省は、「ホームレス自立支援法」に基づく基本方針(案)を3日、ようやく発表するに至った。基本的な観点として「特に、ホームレス対策は、ホームレスが自らの意思で安定した生活を営めるよう支援することが基本である。このためには、就業の機会が確保されることが最も重要であり、併せて、安定した居住の場所が確保されることが必要である」と全く正しく明記しているにもかかわらず、そのための具体案となるや、これまで実施されて来たものを列記するだけの小粒な取組みを羅列したものでしかない。
 現在、厚生労働省はこの基本方針(案)への意見を募集しているところで、今月末までに意見を集約して確定するとの事である。結構量があるものなので、全文をチラシに載せることはできないが、方針(案)は大量に印刷しておくので、是非とも読み、意見をいいたいと云う仲間は俺たちのメンバーに声をかけてもらいたい。もちろん連絡会としても声明を近く表明し建設的批判の観点を伝えていきたい。
 国を動かす作業は一歩一歩着実に前進しているが、本格的な攻防はこれからである。対策は俺たちが気軽に利用していける対策でなければ意味をなさない。路上から、そして自立支援施設に入っている仲間、生活保護を受けている仲間が、それぞれの立場から次なるたたかいを準備していこう。
 さて、夏は、夏まつりのシーズンである。今年ももちろん、中央公園で8月9日ー10日と第10回目となるまつりを開催する。不景気と猛暑を吹き飛ばす祭りを準備していこう。そのための会議を毎週月曜日、連絡会会議でやっているので企画のある仲間、手伝ってくれる仲間は参加してくれ!

 

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サウナのような都会なれど
国の基本方針(案)の就労支援策はまだまだ十分ではないものの、
住宅確保策の具体的な検討がようやく始まる

 仲間たち。
 今年はことに蒸し暑い梅雨である。梅雨らしい雨も少なくスコールのような雨が一気に降る事が多い。季節もまたどうかしてしまったようである。
 蒸し暑さは身体にいたって良くない。基礎体力を消耗させるからだ。高齢の仲間、そして病気がちの身体の弱い仲間は特段気をつけよう。また皮膚関係の病気も季節柄増えている。全身に湿疹ができるとか、痒みが収まらないなども、これまた立派な病気であり、治療が必要だ。またシラミの被害も増えて来ている。シラミは使ったダンボールとか衣類に生息するので衛生面での注意も必要だ。
 調子が悪い仲間は福祉を通して病院に一回は通院しておこう。また、衛生面で心配な仲間も、これまた福祉のシャワー室を使わさせてもらい下着類なども取り換えてもらおう。
 いずれも区役所2階の福祉事務所で緑のカードに名前と生年月日を出すだけで面接をしてくれる。新宿区内に住民票があろうがなかろうが大丈夫だ。通院したい仲間は「どこそこが調子が悪いので病院を紹介してもらいたい」、シャワーを浴びたい仲間は「身体が汚れた」「虫につかれたのでシャワーを浴びさせてもらいたい」と伝えるだけだ。通院の仲間は午前中、シャワーだけの仲間(その他、衣類が欲しい、面接に行く交通費を借りたい等の相談も)は午後から出かけると比較的空いている。
 当座の生活を維持していくためにも、そしてこれからの事を考えるにも、なによりも健康を守っていく事が大事である。健康管理をしっかりし、かつ福祉のサービスを利用しながら保険と医療をきちんと確保していこう。
 さて、先週のチラシでも書いたが、国が「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針(案)」を公表した。かなり長文でかつ多岐にわたる方針(案)で、俺たちはようやくにして国が仲間の自立支援施策を総合的、計画的に責任もって実行すると明らかにした事をまずは評価していきたい。東京においても自立支援事業が全国に先駆け先行的に行われているが、施設を作るにも、事業を改善させるにも時間がかかり、かつ責任体制も極めて曖昧だ。そして規模がいかんせん小さ過ぎ、就労支援も常雇いが中心と幅が狭すぎる。今回、施策上の責任体制が明確化されたと同時に「ホームレス対策は、ホームレスが自らの意思で安定した生活を営めるように支援することが基本である。このためには、就業の機会が確保されることが最も重要であり、併せて、安定した住居が確保されることが必要である」と基本的な観点を明快に示している。『「雇用促進住宅」の一部を、社会復帰を目指すホームレスが入居できる住宅として地方自治体に売却する検討を厚生労働省が始めた』との報道も、この基本線に基づくものである。
 他方、各課題を様々この基本方針(案)では列記してあるのだが、こっちの方はまるで駄目である。本当にホームレス支援法の10年の期限の中で仲間がかかえている諸問題を一気に解決しようとするつもりがあるのか疑問視されるほど小粒な施策の羅列である。就業機会の確保が最も重要と書いておきながら、東京においては既に行なわれている支援策を並べて、それを実施します言われても新鮮味はないし、期待感も薄れてしまう。自立支援センターが必要と云うなら23区に全て設置する、センター内の就労支援に公的就労を付け加えるなり、今の仲間の仕事上の困難を大きく解消できる程の大胆な発想とそれなりの規模が必要であろう。この点ではまったく不満である。
 評価すべきところは評価しながら、不備な点は不備な点として建設的に要求していく。俺たちは三度、15日に全国の仲間の代表団で厚生労働省、国土交通省などとの交渉を行い、基本方針(案)への意見をつきつけていく事とした。
 法律が出来、東京都も自立支援事業の改善を決定し、国が基本方針を出したとしても、まだまだ課題は大きい。一つひとつ仲間の声を出しながら、仲間が本当に野宿から脱せられる施策を大きく作りだしていこう。

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かかってこい!太陽
31日(木)は無料結核検診の日。
今度の日曜は結核予防のビデオ上映会(娯楽ものも有り)を開催!

 仲間たち。
 今年の梅雨は梅雨らしくないものの、梅雨明けとなると例年より遅れるとの予報である。どんよりと蒸し暑くうっとおしい気候は精神衛生上よろしくないので、夏なら夏らしくカラッと晴れ続けて欲しいものである。とは云うものの、今年も昨年並の猛暑になるとの事である。夏場の対策と云うのは体力温存くらいしかなく、一端暑くなってしまうと、こればかりはどう仕様もない。一番弱ってくるのが高齢の仲間、そして病弱な仲間である。無理をせずに何とかこうにか頑張ってこれからの夏を乗り切っていこう。
 今月、31日に、新宿福祉、新宿保健所合同の無料結核検診会が中央公園(ナイヤガラの滝広場)で午後1時から開催される。それに合わせて今度の日曜日の炊き出しの後は娯楽ビデオ鑑賞を兼ねて結核予防のビデオの上映もするので、結核についてちょっと心配だな、ちょっと勉強したいと云う仲間は観ていってもらいたい。結核も過去の病気かと思えば、今も健康状態の悪い貧しい仲間に集中して感染する。もちろん、今は薬も開発されてきているので早期発見されれれば治療が可能な病気ではある。一番悪いのは自覚症状がなく進行してしまったり、治療を途中で辞めてしまう事だ。空気感染する病気なので自分だけの問題ではなくなるので、ちとヤバイと云う仲間、そして健康診断をこの一年やっていない仲間は必ず検診を受けておこう。
 その他、福祉を通して病院に行きたい仲間は月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)に連絡会の仲間が必ず区役所2階の福祉事務所にいるので、初めてで不安な仲間などは相談をしてもらいたい。
 若干ながら建築などの仕事は出てきているようだが、相変わらず不況の風は吹き荒れ、仕事を探してもなかなか見つからない仲間が多い。常雇い仕事を探し、アパート等を借り、もう一度自分の力でやり直したいと思っている仲間も多いと思うが、都区の自立支援事業(大田寮→自立支援センター)は枠が少なく、思ったように使えない状態が続いている。最近は回転が滞っており「ふん詰まり」状態が常態化しているし、技能講習制度が自立支援センターで始まったはいいものの、2ヶ月の求職活動を犠牲にして講習を受けなければならない制度になってしまったため受講者がほとんどいない状態である。国がせっかく乗り出した制度も都区の石頭連中にかかってしまうと、とたんに有効に機能しなくなる。しかも「路上に戻さないための制度」と云いながら、たった2ヶ月の求職活動で仕事が見つからなければ、「はいそれまでよ」と(半分近い仲間が)路上に戻され、その後の保障はなにもない。都区は先ごろ自立支援事業の一部改善を決定したが、このままでは全面的な改定が必要となりそうである。
 もちろん、それでも一縷の望みをかけて多くの仲間は自立支援事業を利用している。俺たちは自立支援事業は「駄目だ」「無意味だ」と極論はしない。どんどんチャレンジしていこうと逆に呼びかけている。仲間が使いこなしていくごとに課題や問題点は鮮明になる。今、100%の対策などどこにもない。中途半端な対策だろうが、どんどん利用していけば、仲間の力でこれまで制度を改善して来たし、これからも、もっと変えられる。
 大田寮の新宿区受付は8月1日にある。そして、募集は23区内のどこの福祉事務所でもやっている。仕事に関わる対策、自立に関わる対策は前向きに今の制度を使いこなしていこう。そして、もし失敗したとしても諦める事なく二度でも三度でもチャレンジし直していこう。人生、「七転び八起き」失敗なんて、どこの世界にでも腐る程あるのだから自分だけが悪い訳じゃない。
 自立支援事業もそうだが、ホームレス対策全般(基本方針)について、15日、全国の代表団で厚生労働省、国土交通省のお役人との交渉を行なっててきた。今回の交渉でも芳しい回答が引き出せなかったものの、俺たちも決して諦めない。「排除ではなく自立を支援する就労対策、住宅対策こそが必要なのだ」の声をこれからもどんどん社会に訴え続けて行く。
 何があろうと明るく楽しく。仲間のつながりを大事にしながら、路上から社会を睨み続けよう。

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目に見える希望を
31日(木)中央公園、無料結核検診午後1時から。
1日(金)大田寮入寮受付抽選会区役所で午前9時半より

 仲間たち。
 長梅雨も今週あたりに明けそうではあるが、今年の夏は予想に反して短そうでもある。過ごしやすいと云えば過ごしやすいものの、天候が不順であるとやはり体調面で何かと心配事が多くなる。夏風邪を引いている仲間、皮膚関連の病気にかかってしまった仲間、下痢気味の仲間、全身疲労を感じている仲間など、夏場特有の病気にも注意が必要だ。基礎体力がなければ夏場はなかなか健康に乗り切れない。
 今週の木曜日、31日には新宿福祉事務所、新宿保健所合同で、中央公園ナイヤガラの滝広場にて午後1時より無料結核検診会が行われる。手続きは名前を書くだけといたって簡単なものなので年に一度の健康診断のつもりで受診をしておこう。現場にはお医者さんも来てくれるので、心配な仲間には問診もしてくるし、通院が必要な時は、福祉の手続きの仕方も現場で福祉の職員が教えてくれる。普段病気ひとつしないで頑張っている仲間もこの機会を利用して、自分の健康チェックをしておこう。当日、都合の悪い仲間は来月に戸山公園でも同様の結核検診会が予定されている。新宿では年に2回だけの機会なので逃さないようお願いしたい。
 また、8月の第2日曜が夏まつりの関係上、連絡会が行なっている8月の定例医療相談会は来週の3日に行なうこととなった。戸山公園、午前10時から、中央公園、炊き出しの後なのでお間違えのないよう。
 そして1日(金)には、8月の新宿区による大田寮入寮受付抽選会もある。この夏、ちょっと身体が心配な仲間や、自立支援センターに入って、技能講習を受けたい、仕事を探したいと云う仲間はこぞって応募していこう。大田寮の無料宿泊は1と月だけだが、希望者は自立支援センター(最長4ヶ月)に行け、技能講習や仕事探しに専念できる事になっている。新宿の枠は少なく狭き門ながらもこういうチャンスを大いに活用していこう(大田寮は23区のどこの福祉事務所でも受付をしているので、抽選に外れたら他の区からもチャレンジしていこう)。
 全国の仲間が声をあげ「ホームレス自立支援法」を制定させてから丁度まる一年。ようやく政府の基本方針が今月末から来月頭にかけて確定するものの、大きな施策上の変化は今のところあまり見受けられない。現実の切迫感に比し、政治、行政の遅々たる歩みには怒りを通り越し、ただただ呆れるばかりである。この春先「目に見える対策を」と石原都知事は指示を出したとの事だが、リーダーシップあると云われる知事を擁するこの東京においてすら、目に見えるのは日々増え続ける仲間の数と困窮の度合いの進行だけである。唯一の就労支援策たる自立支援事業の総枠は相も変わらず微々たるものでしかなく、圧倒的多数の仲間は対策からも排除され続けている。「目に見える対策」とは、まさに総合的な対策の規模が多くあり、かつ人権問題であると云う社会の認知度がある場合に初めて可能である。(福祉と労働の)縦割り行政、(23区と都の)無責任行政を放置し、対策に大きな予算もつけず、かつ啓発活動もほとんどせずに、「目に見える対策」などあり得ない。知事の掛け声だけに終らせるのか、それとも対策を今以上に拡大、拡充させていけるのか、この攻防が基本方針下の今秋の課題となる。
 そして、そのためにも、仲間のでっかい団結こそが必要だ。今年の夏まつり、堅い事は抜きにしてもおおいに楽しみ、仲間の横のつながりを作りあげていきたい。ここに仲間がいる限り俺たちは生きる希望を見失う事はない。明日への希望や原点は常に路上にある。10回目の新宿夏まつり、仲間の協力と参加を!

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泣きながら踊ろう
10回目の夏まつり

 仲間たち。
 どうも夏らしくない8月になってしまったが、暦上は今が盛夏である。今年は気候がおかしな年のようなので、やけに涼しかったり暑かったりと変動の激しい夏になるかも知れず体調には十分気をつけた方が良い。幸いにして先日の中央公園での結核検診では「結核の疑い」の仲間が例年に比べ少なかったものの、油断をすると取り返しのつかない事にもなりかねない。体調が「いつもよりおかしいな」と思ったら念のため福祉を通して医者に行く習慣を、これからもしっかりとつけておこう。
 毎週月曜日の福祉行動は夏場も休みなく続けていくので福祉の手続きなどが判らない仲間、一度福祉で「失敗」してしまった仲間などは、気軽に声をかけてもらいたい。また夏場なので衛生面も気をつけておこう。身体が汚れてしまった時は区役所にシャワールームもあるので、病気でなくとも利用していこう。
 大田寮の受付は先日行われ、91名が並び22名が無事入寮した。次回受付は9月1日の予定である。夏場と云えども相変わらずの高い当選率である。改善を提言しているものの自立支援センター等の全体のキャパ不足が横たわっており構造的な問題になりつつある。仲間が要求し作らせて行った自立支援事業が少ない枠で固定化されるようではお話しにならない。状況に流されるだけでまるで主体性も緊張感もない都区行政に対し、更なる改善を今後要求していきたい。
 国も31日、ホームレス自立支援法に基づく「基本方針」をようやく確定した。けれども、こちらも都区のだらしなさに合わせたよう、まるで中途半端な方針でしかない。国が一歩踏み込んだ事を評価しながらも、今後の展望と云った場合、不安要素の方が大きい代物である。おまけに政局の秋を迎えれば、とんと俺らの事など忘れ去ってしまう事であろう。
 もちろん、俺たちは諦めはしない。都区の強制排除一辺倒の対策姿勢を転換させて行ったのも仲間の力であるし、知らんふりを決め込んでいた国を法的に縛りつけてやったのも仲間の力である。10年来の俺たちのたたかいは、確実に仲間の諸問題を大きな社会問題(社会が解決しなければならない問題)へと浮上させている。国の基本方針下、都区がいかなる「実施計画」を策定するのか?ここをめぐっても、俺たちは仲間の声を決して無視させはしない。
 生き抜く力を発揮し続けているからこそ、今年の夏もまた夏まつりを仲間と共に楽しむ事ができる。10回目を迎えた俺たちのまつりは、路上で亡くなった仲間を悔み涙を流しながら、けれども笑う、そんな不器用でおかしなまつりである。けれど路上の仲間のでっかな団結は悔しさをバネに成長してきた。「なにクソ!」と思いながら、何もない路上から手をしっかりと指し伸ばそう。仲間の夏まつり、多くの仲間の参加と協力を!

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迷え、もがけ、夏!
第10回新宿夏まつりへの協力ありがとう!
800名の仲間の素晴らしい祭りでした。全ての仲間に感謝、感謝。

 仲間たち。
 結局、今年は梅雨明け宣言がなかったようで、8月に入っても夏だか秋だか良く分からない天候が続いている。もっともお盆も過ぎ、暦上は残暑の頃。今年の夏はいつの間にか終り、これからの暑さは秋へと向う晩夏の暑さでしかないようだ。
 当初予想に反して、今年の夏は仲間にとっては過ごし易いと云えば過ごしやすい夏でもある。農作物や景気の影響はともかくとして俺たちに取って過ごしやすいに越したことはない。とは云え、8月の気候が突然10月の気候になってしまうように、気温の変動は他方で身体を壊しやすい。熱帯夜が少ないだけ朝晩はかなり涼しくなっており、風邪を引いてしまった仲間も多いようだ。夏の備えと秋の備えを同時にやらなければならないので、健康管理が大変でもある。雨の日も多いのでまあ、いろいろと気をつかってこの季節を乗り越えていこう。
 俺たちは毎週月曜日に福祉行動と云って、福祉を通して病院に行く等のなかまの手続きをサポートしている。「福祉なんて使いたくない」と云う仲間も多いが、福祉を利用していくのは、俺たちに保障されている当然の権利である。福祉は「お恵み」ではない。貧しさを強いられている俺たちの最低限の拠り所であり、生活上利用していく対象である。たとえば、病気にかかる。市販薬で治る軽い病気ならともかく、ちゃんと検査をし入院または長期の通院が必要な病気の場合、自費で病院に行くとなると目の回るような金額を請求される。治療費が払えなければ当然、病院も相手にしてくれない。でも貧乏人だろうが何だろうが、治療をしなければ身体が弱ってしまうし、最悪の場合死期を早めてしまう。医療は金持ちだけの医療ではない。治療費が払えない人々の最低限の医療を保障していくのも福祉の仕事だ。そして、病気で働けず食うや食わずの仲間や、高齢や障害で働けない仲間を路上に放置したり、入院が必要なのに入院をさせないなんて事は、決してあってはならない事だ。もし、そんな事があったら福祉の殺人行為である。
 福祉と云うとあまり身近な感じはしないかも知れないが、とりわけ病気にかかった時には、まっさきに利用してもらいたい。俺たちは、福祉事務所に仲間の言い分を通すために福祉行動を続けている。初めてで手続きがよく分からないと云う仲間は是非、月曜日、区役所2階の福祉事務所に連絡会のメンバーが詰めているので、気軽に声をかけてもらいたい。
 さて、その福祉であるが、俺たちが長年問題にしてきた「福祉サギ集団」を排除するため、ようやく厚生労働省が乗り出し指導を強めている。これを機会に、一畳たらずのベッドをあてがうだけでで月に5ー6万もの暴利を貪ってきたSSS系悪徳業者の生活保護宿泊所業界からの退場を願おう。他方、SSSを育成してきた東京都福祉局は今回の厚労省の通知に大混乱であると云う。厚生施設の増設、居宅保護の推進(96年に都区共同で確認されて来た事項)など生活保護世帯の居住の場確保をサボって来た自らの責任が浮き彫りになるからである。
 俺たちは、「宿泊所」「ドヤ」などでの生保適用はあくまで「応急的」な措置であり、問題なのは、これら「中間施設」に多くの仲間が滞留させられっぱなしで、先の展望もなくアパートや公営住宅などの居宅確保にまでなかなか結びつかない事にあると考えている。今回の通達を受け、東京都そして特別区は居宅保護推進へ大きく舵を切り替えるべきであろう。「中間施設」が少ないから保護しないと云う誤った運用が今後行われるようなら、俺たちは断固として是正のためのたたかいに入る。
 その意味でも福祉窓口の対応を監視続ける意味は大きい。路上の仲間も、生保の仲間も「こんな事を云われた」「こんな指導を受けた」等、誤った運用があった場合は即座に報告してもらいたい。福祉行政の動きも新たな秋の注目点でもある。
 最後に、先日の夏まつりに協力してくれた仲間、そして参加してくれた仲間、本当にどうもありがとう。お陰で八〇〇名近くが集まり、大きなそして楽しい10回目の祭りが出来た。これも、俺たち新宿の仲間の力の表現である。お盆で帰って来た仲間もきっと喜んでくれたと思う。路上で生きると云う事を深刻ぶらず、楽しい思い出に昇華させてくれた全ての仲間に感謝!

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短い夏の終わりに
冬を射程に入れた対策上の駆け引きが始まる。自立支援センター
リピーター問題ようやく9月15日解禁。国の方も動きが活発に。

 仲間たち。
 ようやく夏らしい日差しが戻って来たものの8月もそろそろ終わり、秋の気配が見え隠れする季節である。今年の夏は消化不良の夏ではあったが、路上のこれからの事を思えば丁度よい夏であったのかも知れない。
 もちろん晩夏から秋にかけこれからは昼間の気温と朝晩の気温差が大きくなるので、体調管理には相変わらず気をつけていこう。夏風邪も流行っているし、先日の戸山公園での結核検診も40名中要精密検査が4名と高い数字が出ているので結核などにも気をつけていこう。戸山公園では今月になって結核を患っていた仲間が病院で亡くなっている。結核の治療の途中で何かあって路上に戻ってきてしまった仲間らしい。結核は手遅れになるとまだまだ怖い病気である。調子が悪いなと思ったら、迷わず福祉を通して医者にかかるよう早めに手続きをしよう。手続きの仕方が分からない仲間等は、毎週月曜日に連絡会のメンバーが区役所2階に詰めているので気軽に一声かけてもらいたい。
 仕事が若干は出て来たようだが、8月は仕事減で苦しんだ仲間が多い。常雇い仕事に就き、アパートや都営住宅などで自立生活に戻れるような支援を、少ない規模ではあるが、現在、23区で実施している。大田寮と云う施設に入り身体を休めた後、自立支援センター(就職のため、通勤のための施設)へ入り、居宅先を探し「社会復帰」すると云うコースだ。もちろんこんな時代だから「安定就労」は役人の幻想でしかなく浮き沈みのある仕事につかなければならないのだが、現在自立支援センターでは技能講習などを行なって「なるべく安定した仕事に就ける」ような支援体制を組んでいる。
 これまでは、以前に一回でも自立支援センターを利用すると、二度と使えない仕組みであったが、ようやく9月15日にリピーター(再入所)が解禁される事になった。7月に決まりながら、ずるずると先延ばしされて来て、本当に「ようやく」である。
 一度、自立支援センターを利用し、アパート生活まで辿りついた仲間、飯場に入った仲間、生活保護に切りかわってしまった仲間が、再利用の対象になる。自立支援センターで「自己退所」等で「失敗」した仲間は、残念ながら対象外であるので、お間違えのないよう(連絡会としては無条件容認をこれからも要求していくつもりである)そして、再利用者は自立支援センターへの直接入所も可能である。福祉事務所に日参しケースワーカーを口説き落とせればこれも可能となるので対象者の仲間で「大田寮はもういいや」と云う仲間はチャレンジしていこう。
 新宿区の次回大田寮受付は9月1日(月)になるが、募集人数は相変わらず20名前後が予想されている。法律出来ても、国が動き出しても、何故かしらこの「少ない枠」だけは変わらない。しかも新宿区は柏木公園の締め出し工事に着手しようとするなど「小規模追い出し」には異様に熱心である。国の動きに逆行する新宿区単独の一連の動きには警戒が必要である。中山新区長は「福祉施策の充実」などと云うておるが案外と、こと野宿者対策については冷血漢なのかも知れない。悪い事態が先行すれば区長室にまたお伺いする事になるであろう。
 一方、国の方は基本方針も出来た事もあり、活発に動きだしている。厚生労働省は基本方針を受け「新通知」を全国の地方自治体に発布。「ケチケチせず、生活保護を適用ように」とハッパをかけている。新通知には「自立支援センターに入所し就労努力は行ったが、結果的に就労による自立に結びつかず退所した者から保護の申請が行われたときには、保護の要件を確認した上で、必要な保護を行うこと」とも書かれてある。自立支援施設から平気で路上に戻して来た新宿区は、この「通知」を握りつぶすのか?否か、この点もまた注目である。他方、SSSなど悪徳宿泊業者への取り締まりも11月1日を持って実施すると厚労省は発表。営利目的ケタオチ施設の一掃は仲間の長年の強い要望である。東京都は補助金をバラマキ、悪徳業者を延命させようとしているようだが、連絡会としては、ここまで実態が暴露され社会問題になっている以上、営利目的業者排除の「厳格実施」を引き続き求め続けていきたい。
 また、来年度に向けて労働行政サイドも新聞発表のよう新たな事業へと動き出している。ほとんど使われてこなかった職業紹介機能を整備するのは必要な事である。願わくばもっと大胆かつ大規模な雇用確保施策を発表してもらいたかったが、これは、今後の交渉課題である。
 既に、行政サイドは、次の冬、そして来年度を射程に入れた攻防に突入している。冬はもうすぐであり、現状のままではまた多くの仲間が命を落としてしまう。
 うかれた真夏の夢を排し、着実に仲間が活用できる施策の果実をこの秋必ずやもぎ取っていこう。

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移ろいゆく季節
厚生労働省、来年度ホームレス対策の概算要求を発表。
26億から31億、新規事業も相変わらず新鮮味なし。

 仲間たち。
 早いもので、もう9月。おかしな今年の夏も終りである。それでも残暑は厳しいとの予報が出ているので、夏の断末魔はまだまだ続きそうではある。世界的に異常気象なので、これからも暑さのぶり返し、台風、秋の長雨など、注意をした方がよさそうである。
 朝晩グンと涼しくなる季節でもあるので、風邪を引いてしまう仲間も多いようだ。夏はアッと言う間に終ってしまうので、寝る体制や、着る物などは、厚手のものを準備をしておこう。
 風邪も普通の鼻風邪程度なら問題はないのだが、熱を出したり、長引くと、これまた結構大変ではある。また、結核も流行っているので、風邪の症状だと思っていても結核であったり、肺炎であったりする場合も多い。咳や熱、痰などの症状があまり長引くようなら、思い切って福祉から病院を紹介してもらおう。その他、血圧が高い仲間や、持病を持っている仲間も季節の変り目は変調を起しやすい時期である。病院にかかりたい仲間は、保険証がなくても、住所がなくても福祉が最低限、病院を紹介してくれ、必要な仲間は通院が出来るので、相談に行ってみよう。手続きは簡単なものだが、初めての仲間や、よく分からない仲間は、毎週月曜日に俺たちの仲間が区役所2階の福祉事務所に詰めているので気軽に声をかけてもらいたい。
 厚生労働省がSSSなど、営利目的宿泊所業者の規制に入ったまでは良いが、またぞろ、似たような手配師が新宿の街をうろついているようだ。「西尾久のアパート募集」「資金は全く必要ない」とか、うまい話をもちかけて生活保護費からピンをはねようという魂胆である。うまい話には必ず裏があるし、結局は自分が泣きを見るので、充分に気をつけてもらいたい。
 さて、その厚生労働省であるが、来年度のホームレス対策費の概算要求をついこの間、行なった。総額約31億で、今年度予算(約26億)と比較すれば約4億の増加である。財政事情が悪い中、増額になったのは良いとしても、政府の「基本方針」がようやく出た後の概算要求としてはあまりにも弱すぎる。
 その内訳は、自立支援事業の拡充として「ホームレス総合相談推進事業」「自立支援センター事業」「シェルター事業」「ホームレス能力活用推進事業」と、旧来の自立支援策を多少拡充したものと、新規事業としては「ホームレス衛生改善事業」「ホームレス保健サービス事業」と、新宿が行なっている街頭相談や法外援護事業などをちょっと膨らませたような事業に補助金をつける事業だけである。一番の注目点である就業機会の確保策も、「自立支援センターへの相談員の配置」「技能講習事業」「トライアル雇用事業」に新規で「ホームレス就業開拓推進員」をハローワークに配置するというものである。
 もちろん、これらが実際上効果があがればそれに越した事はないものの、先般発表された基本方針が「小粒」であったよう、実際の計画事業も「ぼちぼち自立のための対策をやりましょう」というレベルのものでしかないようだ。
 もちろん、やってもらう事業はしっかりとやってもらうし、その効果の程は俺たちが検証しなればならないのだが、「これじゃ、足らん」と云う声をこれからも厚生労働省に突きつけ全国の仲間と粘り強い交渉を続けていきたい。
 秋から冬にむけての仲間のたたかいをしっかりと準備し、もっと行政を動かしていこう。

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嵐の秋?
来週の日曜日は戸山公園(朝10時)、中央公園(炊出しの後)
でボランティア医師による無料医療相談会を実施!

 仲間たち。
 9月に入っても厳しい残暑が続いている。秋の気配が多く見えはじめたとは云え、今月は暑くなったり、涼しくなったり、と秋雨前線が降りてくるまでは夏と秋が同居したような季節の変わり目だ。夏後半の厳しい暑さで、夏バテが今ごろ現れたりもする。夏風邪なども最近の流行だ。下痢や腹痛の伴う新種の風邪も不気味に流行し始めている。この風邪は下痢止め(正露丸等)を飲んでも効かないどころか悪化するとの事なので注意が必要だ。もっとも医者にかかれば、症状に適した薬を調合してくれるし、すぐに治るとの事なので、長く苦しむよりも、そういう症状が出たら、早め早めに医者にかかる様にしよう。
 来週の日曜日は、戸山公園、中央公園で定例の医療相談会が行われる。ボランティアの医者が無料で問診してくれ、その場で薬をもらえたり、病院にいかなければならない仲間には「紹介状」を書いてくれる(「紹介状」を持って福祉事務所に行けば、簡単に病院を紹介してくれる)。もちろん血圧測定なども出来るので、季節の変わり目の健康管理に是非とも利用してもらいたい。
 大田寮の受付は前回、76名が並び、20名が入寮を果たした。夏場なので希望者が少なくなってはいるものの、まだまだ狭き門だ。他方で、柏木公園の工事に伴い新宿区は大田寮の特別枠(10名分)を用意、移転先として利用している。
 この間の新宿区の動き(小公園での工事やテント指導の強化、中央公園でもじゃぶじゃぶ池にロープを張る等)は、明らかに従前とは違った動きを示している。本来、生活保護の積極適用や自立支援事業の強化で対応しなければならない(ホームレス自立支援法でも明確にされているよう)ところを、地域住民からの「苦情」への「対処」を優先させ、公園や地域からの排除に重きを置いた施策を公園課等が先頭になり実施しているかのように伺える(奴等は新宿区の公園を全部檻の公園にしてしまう気なのか?これぞ無駄な公共事業である!)排除の際の福祉との連携を「大田寮優先入寮」のような形で今回ようやく実施したものの、そもそも大田寮は決して「排除の受け皿」ではない!言うまでもなく自立希望者や身体を休めたい仲間が自主的に入寮する施設であり、その事は開設時に俺たちが役所に何度も確認させて来た事だ。
 新宿区はこの夏、生活福祉部内に参事クラスの「ホームレス担当」ポストを新設したが、初仕事が公園課のお先棒担ぎでは後が思いやられる。
 地域住民の排他的な意見に板挟みになっているのは理解したとしても、役所が自ら設計し、作り出した対策体系が効果的に機能しないからと云って、それを無視し排除を優先させるのは由々しき事態である。しかも、国の基本方針を受けての地方自治体の「実施計画」すら作成しない段階でのこれらの動きは、まさにルール違反の上塗りである。新宿区の全庁的対応と云うものが公園課主導のものになるのであれば、今後10年新宿区のホームレス対策は混迷を来し、とりかえしのつかない事態になる事であろう。
 俺たちはこの間の動きをじっくりと見ながら新宿区に対する有効な反撃策を考えていきたい。また東京都の「実施計画」もテントにだけ焦点を当てたいびつなものになるのであれば、それと徹底的に対決していくつもりである。国がようやく動いたと思ったら、地方自治体がそれに従わない。一体この国はどういう国なのか?
 対策上今必要な事は、高齢者や病弱者に対する保護の徹底と、働ける仲間への自立支援事業のさまざまなバリエーションでの拡大、拡充のみである。この事を俺たちは10年来主張し続けて来たし、これからも主張し続けよう。
 行政の動き、とりわけ新宿区の動きに注意しながら、寝場所を守り、かつ仲間の力で自立支援事業を拡大、拡充させよう!

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立ち退けど消え去らず
この秋、新宿区の排除攻勢に抗し、「屋根と仕事」
を求め東京都、新宿区を攻め抜こう!

 仲間たち。
 この週末は夏の疲れに追い撃ちをかけるかなりの残暑が続いた。今年の気候は何もかも記録的だが、9月の残暑としては異例の事だそうだ。秋の予感はそこここに見受けられるが、今週もまた気温は高めのようである。難しい健康管理を強いられるが、通院中の仲間や高齢の仲間は特に気をつけよう。急に調子が悪くなったら予約日でなくとも福祉に顔を出してから、かかりつけの病院に行くようにしてみよう。役所にまで行けないようなら救急車を呼んでから病院を指定して運んでもらおう。また「だるい」「食欲がない」「目まいがする」等、調子が「おかしいな」と思ったら、これまた早めに医者に行くようにしよう。福祉を通せば、住民票がなくとも、ほとんどの仲間は病院に行ける。一人じゃ不安な仲間は、毎週月曜日(月曜日が休みの時は火曜日)に、俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので、気軽に相談をしてもらいたい。
 まだ気候は夏の延長だが、もうすぐガクンと秋の気候に戻る。季節の変わり目をうまく乗り越えながら秋から冬型の生活にチェンジしていこう。とりわけ寝場所の問題は大事な問題である。少しでも安心して眠れる場所を確保しておかないと、これからの季節は身体がもたなくなる。新宿区内、かなり周辺が厳しくなっているものの、「仕事がない」「寝場所がない」多くの仲間が数千人規模で居る以上、人はどこかで身体を横たえて睡眠を取らなければならない。「邪魔だ」「迷惑だ」と言われようが、生き抜くためには野宿せざるを得ない。その場合、どうやって世間とうまく調和するのかが俺たちの方に問われてくる。「屋根と仕事さえあれば、ここからいつでも出ていく」と云う気持ちがある仲間は、だからこそ、この街から旅立てるその日まで、自分らの最低限の生活を自分らで守るよう心がけよう。節度ある生活なら、いくら野宿だろうが世間の理解の度合いは違う。テントやダンボールにせよ、度が過ぎる迷惑行為は世間を決定的に敵に回すことになってしまう。秋から冬型の生活に切り替える時、この点は注意をしていこう。
 そうでなくとも新宿区の排除圧力はここに来て強まっている。先日もパトロールで西戸山公園の野球場の上の一角が「意味のない工事」で塞がっているのを発見した。柏木公園もそうであるが、区内の公園では陰湿なやり方での仲間の追い立てが続いている。連絡会は今月中に正式に新宿区に抗議要請を行う予定だが、単に追い出し反対を言うのみならず、「屋根と仕事」の獲得、保障を大きな要求の観点にしていかなければならないと考えている。世間がそんなに「野宿者」の存在を「嫌」と云うのであれば、それに見合った対案を出してもらおう、俺たちの要望を実現してもらおう。
 そして、自立支援センターなど自立支援事業の拡大、拡充がこれ以上進められないのなら、「住居(低家賃住宅や都営住宅並の)の確保」と、最低限度の生活が送れる「公的就労」もしくは「生活保護」を保障する新たな枠組みを作ってもらうしかない。そう云う先の展望がない中での「追い出し」はまったく無意味でしかなく、あのふざけきった新宿駅4号街路「野宿者除けオブジェ」と同じグロテスクさであり、新宿区区長中山や、新宿区公園課課長横田が俺らの怨念のこもった「歴史」を知らぬと云うのなら存分に教えてあげよう。
 国との長き攻防を経て、仲間の自立のための「ホームレス自立支援法」を全国の仲間の力で制定させ、ようやく「基本方針」が確定し、次は地方、つまり東京都や新宿区が更にどう前向きに自立のための施策を打ち出すのかと云う段になったのに、この状態である。地方が前向きになった時には国が動かず、国が前向きになった時には地方は後ろを向く。
 自立支援事業の改善にしたところで、7月にリピーター容認を確認しておったにもかかわらず、その実施は何とズルズルと遅れ今月15日からだと云う。5月の交渉の時に自立支援担当課長は「7月中に決定します」と言い俺たちを安心させながら、「決定」と「実施」の間に2ヶ月も要する。その間に、多くの仲間が期待したり、絶望させられる。最近の都区の視線は「仲間の切実さ」よりも「手続き」の方を優先させると云う象徴的な出来事である。こんな調子でやられていたのなら、俺らの堪忍袋の緒も切れる。
 自立支援センターを開設させる運動から、次は国を動かし「法律」と「屋根と仕事」を求める運動へと突き進んだ連絡会であるが、東京都や新宿区がこうである以上、また我々の拳の先を再度足下に定める必要があるだろう。
 この秋、東京都と新宿区を交互に徹底して攻め抜こう!

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ものを思おう秋
秋の長雨のシーズンです。寝場所の確保、衣類の確保などの防寒対策もそろそろしっかりとしていこう

 仲間たち。
 台風の影響で乾燥しきっていた東京にもようやく雨が降り、日本列島に居座る夏の名残も奇麗に押しのけてくれたようである。ようやく秋らしい秋が来そうな気配である。
 いままでの気候が異常気象であっただけで、これが本来の気候なのだろうが、突然の季節の豹変ぶりに戸惑ったりする仲間も多いと思う。とりわけ持病を持っている仲間とか、身体の弱い仲間、高齢の仲間は健康管理だけでも大変なので、本当に「おかしいな」と思ったらすぐさま病院に行く習慣を今の内につけておこう。先週の医療相談会はいつもより多くの仲間が相談に来てくれた。翌日福祉事務所から病院を紹介してもらった仲間も多くいるし、入院した仲間、ドヤ(簡易宿泊所)での静養となった仲間もいる。
 いつも言っているが、福祉を通して病院に行くのは簡単な事であるし、俺たちの当然の権利でもある。仕事を直接出すという面では行政はほとんど有効な手だてが取れないものの(そればかりか、土木部公園課は追い出しばかりをしてるが)、医療、保健など俺たちの命の最低限を守るための仕事は、新宿区はぼちぼちながらもキチンとやってはくれている。それでも一人じゃ「不安」と云う仲間は、毎週月曜日に俺たちが区役所2階の福祉事務所に詰めているので、一声かけてもらいたい。「病院やドヤから訳あって出てきてしまった」等、複雑な事情があるケースなどにも対応は出来ている。病気が重いと生活保護をちゃんと取るような形になるが、病気が治るまで生活保護を取っても、取ったなりの苦労は大きい。福祉は最低限の事は何とかしてくれるが、それ以上の事は自分の力でやるのが原則である。そんな場合も仲間のつながり、支援のつながりが大事になってくる。俺たちは路上にいる仲間、福祉を取った仲間、分け隔てなく支援をしているので、福祉を取っても、大田寮などへ行ってもいろいろな事を相談してもらいたい。
 緊急一時保護センター大田寮の入寮受付が来月1日にある。新宿区は枠が少なく月に一度しか受付を実施しないのでチャンスは少ないものの、この事業は23区の福祉事務所でどこでも受付をしている東京都と23区の共同した事業である。よく大田寮を福祉の施設と勘違いする仲間が多いが、受付は福祉事務所がするものの、生活保護の施設ではなく、若い仲間も、年老いた仲間も路上で暮らさざるを得ない仲間が誰でも最低一と月は身体を休められる施設である。だから入る時はアンケート程度のものを取られるだけで、生活保護と比較すれば本当に簡単に入れる施設である。一端、大田寮に入った後、これからの事は大田寮の中にいる職員と相談をすると云う事になる。常雇い仕事を探して頑張ってみようと考えている仲間は、その旨を相談員に云えば自立支援センターに自動的に入れる。また大田寮の中で通院をしたり、身体を壊したりしている仲間は生活保護の手続きが大田寮で出来る。そう云う「先の事をこれから考えよう」と云う施設が大田寮、板橋寮(中野や杉並、豊島区等はこちらの施設)である。
 これから涼しくなり、自分の人生の行き先を考える段に、こういう施設もあると、路上脱却の選択肢の一つとして考えておいた方が良いかも知れない。
 大田寮から先のステップである自立支援センターでは、仕事探しのための支援の他、7月から技能講習制度が始まり、ようやく本格的に稼働し始め、仕事を探す前に、また仕事を探しながら、免許の取得や技能講習に通う仲間も多くなった。厳しい雇用状況の中、資格の取得や事前の体験は、やみくもに面接に通うよりは的を絞った着実な就職のために有利である。無くしてしまった免許証をもう一度取るだけでもかなりの額が必要だが、その全額を厚労省が負担をしてくれると云う「太っ腹」の制度なので利用価値はあると思う。
 俺たちは緊急一時保護センターでも技能講習制度を実施しろと、長年要求しているが、こういう仕事に役立つ、これからの生活に役立つ仕組みはどんどん拡大させかつ、活用をしていきたい。自立支援センターからアパートへ移ると云う事は確かに大変な事だが、その階段は仲間の力でじょじょに整理されている。
 もちろん、そんな場合でも確かな事は「自分の力」「仲間の力」である。役所の支援はその「側面支援」だけである。
 批判すべきは批判し、要求すべきは要求しながらも、しっかりと、着実に、前向きに、この秋から冬へ歩み出そう。

冬を見据える秋
新宿区立公園の相次ぐ追い出しに抗議!29日中山区長への申し入れ書 提出行動。
医療相談会は次の日曜日。

 仲間たち。
 ようやく秋らしい秋の到来である。厳しかった残暑の疲れを癒し、たっぷりと季節の恵みを享受したいものだが、まだすっきりしない天気が続いている。秋雨も多く生活のリズムを整えるのも体調管理も難しくなっている。冬が来るまで穏やかな秋の快晴を待ち望みながら夏の気分をすっかりと脱ぎ捨て、秋から冬型の生活に戻していこう。
 さて、戸山公園、中央公園の医療相談会は毎月第2日曜日に実施しているが、10月は医師の都合で第1日曜、今度の日曜日に変更となった。毎回相談に来てくれる仲間など間違えないようお願いしたい。
 医療相談会はボランティアのお医者さんが来てくれ、血圧測定や薬の配付、問診などを無料でやってくれる。病気はなかなか自覚症状だけでは分からない。「医者に行く程でもないな」と本人は思っていても、ちゃんと検査をしてみると入院が必要なんて事は良くある話しである。事病気の事は、素人考えで対処するよりも「ちょっと身体がおかしい」と思ったら専門的な知識を持った人にまずは相談する事である。そのためのキッカケ作りとして医療相談を利用してもらいたい。
 路上での医療相談を受け役所を通して病院にキチンと行く必要がある仲間は、新宿福祉事務所(区役所2階)に顔を出して職員と相談し、手続きをしてから病院を紹介されるのだが、この「手続き」が「面倒くさい」、「不安だ」と云う仲間は、毎週月曜日に連絡会の仲間が福祉事務所に詰めているので一声かけてもらいたい。書類の書き方や応対の仕方などアドバイスしているし、職員との間に入ることも出来る。福祉を通して医者にかかる時は、生活保護と云う制度を利用するので治療費はもちろん全額国が支給してくれる。また住民票が新宿区になくてもまったく大丈夫である。保健、医療に関しては「ホームレス自立支援法」も出来た事もあり、役所はしっかりとやらなければならない事になっている。これら制度を利用し健康管理に役立てよう。
 また、緊急一時保護センター・大田寮の新宿区での受付は今週の水曜日1日に行われる(11月は4日の予定)。夏場の間は並ぶ仲間が100名を切っていたが、これから涼しくなる事もあり希望者もおそらく多くなるだろう。大田寮は自立支援センターにいかなくとも誰でも一と月身体を休められる施設である。「新宿区内に起居している男性の路上生活者」なら年齢を問わず誰でも入れる施設なので、入る時の「面接」も「アンケート」のような簡単なものである。
 抽選に当れば誰でも入れる代わりに、大田寮の中ではしっかりとした面接機能が備わっている。大田寮から自立支援センターに行きたい。大田寮から保護施設へ入りたいなど、次のステップを目指す仲間は、大田寮に入ってからキチンと相談をしておこう。
 緊急一時保護センターは23区どこでも入寮受付をしているが、抽選倍率がこれほど高いのは新宿区だけである。そのため他の区に回って入寮している仲間も多い。いろいろと知恵を絞ってみよう。
 さて、この間、このチラシで報告している新宿区環境土木部土木課による各地の小公園での追い出しの件について、明日29日抗議のための申し入れ書を中山区長宛に提出することが決定した。冬を前にしてこれ以上仲間に対する「嫌がらせ」をさせないためである。議論の観点は「住民の苦情があったからと言って公園にフェンスを張るなどして追い出しをしたとしても居場所のない俺たちの問題は何ら本質的に解決しない」と云う事である。大田寮への優先入寮枠が確保されたとしても、前提として「追い出し」がある限り「ホームレス自立支援法」からしても順序が逆である。いかに新宿区が「他施策との連携」をしたと言い張ったとしても、そもそもの動機が不純なのである。
 この点を今後、新宿区との交渉を重ね詰めて行きたい。新宿区が「話し合い拒否」、もしくは「居直り」を決めるのであれば、大規模な大衆行動で応戦していこう。
 これからの季節、仲間が最低限の暮らしを維持していくために寝る場所や荷物の置き場所の問題はとてつもなく重要な事柄となる。無論路上は「終の棲み家」ではないものの、当座、仲間が生きていくために守っていかねばならぬ防衛線でもある。新宿区にせよ、東京都にせよ路上生活者対策は云うものの、その視線は「テントを解消させたい」「住民の苦情が集中している」等の「追い出し」に力点を移しつつある。対策が十分でないからテント等の現状が維持されているとは彼等は決して考えない。96年「動く歩道」攻防で規定してきた「追い出しよりも対策」と云う流れが、東京都レベルではいよいよ忘れさられつつある。他方において仲間の中にも、先の展望がない事を理由にして「旅の恥はかき捨て」的な傾向も見受けられる。もう一度「追い出されたらどこへ行くのか?」を真剣に考えながら、現状を常識的な範囲で維持し、他力本願では見えない展望を自ら作り出そうという前向きな力を発揮していこう。

隣りは何をする人ぞ
新たな自立支援策「低家賃住宅と軽作業労働」を
ようやく東京都が検討開始。

 仲間たち。
 暦が十月になり、ようやく秋らしい日々がやって来た。これから落ち葉の季節まではおだやかな日が続くことであろう。まずは一安心。ゆっくりと疲れた身体を癒したいものである。
 とは云え、俺たちの現実はこれから気候との勝負へとじょじょに移り変わる。もう朝晩はかなり涼しく、なおかつ身体をゆっくりと暖め寝られる環境は限られている。寝場所の確保、そして健康管理、栄養確保、はたまた自立への道筋、どれを取っても先行きは不安だらけである。この不安な秋から冬への時期をどう、仲間の知恵と力を結集して乗り越えていくのか?前途多難なだけに心して、そして利用できるものは何でも利用しながら、着実に「地獄の季節」へと足を踏み入れていこう。
 連絡会としても、この冬の2週間無料宿泊五百名枠の確保に向け新宿区に申し入れを行い、現在、前向きに検討をさせている。また、定期的な医療相談会の実施や毎週月曜日の福祉行動、夜回り、昼回りなどの日常的な相談、巡回活動等を通しながら、病弱な仲間、高齢の仲間、女性の仲間など、路上の中でも最も弱い仲間を支える行動を日々展開している。仲間同士の横の連絡を強化しながら俺たちの生活をまずは守り抜いていこう。
 仲間の生活の防衛の観点から、先日、この間相次いだ追い出し問題について、新宿区区長宛の「申し入れ書」を持って、柏木公園で被害を受けた仲間と共に申し入れ行動を行って来た。酒井総務課長、大野自立支援担当参事等との短いやりとりの中、「追い出しでは何も解決しない」との事を再確認させると共に、地域住民の排除圧力が厳然としてある中、今後どのように「解決の方途」を見いだせるのか連絡会ときちんとした「話し合い」を行う事が確認された。現国会の中で提出された日本共産党議員団の「ホームレス対策についての意見書」の中でも「公的就労」の要請と共に、新宿区の「追い出し事件」が批判的に指摘されており、新宿区のこの間の悪行を是正させる包囲網は作られつつある。新宿区もそうだが、東京都も含め「追い出しでは何も解決しない」と云う当たり前の事を、この秋、もう一度「話し合い」の積み重ねの中、再確認させていこう。
 また、現在、課題として大きな位置を持つ、「ホームレス自立支援のための東京都実施計画」についてもこの間の連絡会との議論を踏まえ「住宅確保」「就労支援」の大きな柱を軸とした大胆な施策を期待して行きたい。中でも現行の自立支援事業の機能拡大と改善は急務の課題である。自立支援センター渋谷寮の開設、緊急一時保護センター江戸川寮の開設は今年度必ず実施すべきであり、また緊急一時保護センター内での就労支援強化改善も年内実施を連絡会は強く要請している。施策の未実施部分(グループホーム等)も含め、早急に施策の全体系を確立させて行く必要があろう。
 これに加え、新たな自立支援策として、低家賃住宅確保と特別就労対策を組み合わせた新施策が現在、東京都内部では検討されていると云う。「低家賃住宅と軽作業労働」の保障要求は連絡会結成以来の要求項目であり、ようやく「ホームレス自立支援法」下の今日、検討課題として浮上した事はおおいに評価できる。「半福祉、半就労型の自立」と謳いながらも、決して実現されなかった施策上の課題、とりわけ、稼働年齢層中の比較的高齢者層や病弱者層が現行自立支援事業では包摂できていない課題への踏み込みとして期待が持てる施策である。
 尤も、「良い施策は規模が小さく尚かつ改善がもたつく」、他方で「悪い施策は一気に全面化する」、と云う歴史を見てきた者の立場から云えば、東京都の新施策案についても基本的には評価はするものの、一定の距離を保ちながら検討して行く必要があろう。
 いずれにせよ、良い施策(すなわち、再び野宿にならないよう、安定した住居と仕事を確保でき、元の生活に戻れるような実効性ある施策)を拡充させていくポイントは、施策の受益者である俺らが声を出すことである。今年の秋は新宿区、東京都、国との地道な「話し合い」を積み重ねながら、今までの施策を後退または悪利用させることなく、前進させる事である。
 これから現状維持はあり得ないし、現状維持を主たる目的とするならば、98年西口地下火災事件のような悲劇しか待ち受けていない。現状からの飛躍を求める以上、今後、激動の路上の時代が予感される。だから、いざと云う行動のために、今は出来る限りの力を蓄えておこう。

死んで花実が咲くものか
来週の日曜日は弁護士ボランティアによる
無料法律相談会が中央公園であります。気軽にどうぞ。

 仲間たち。
 秋も深まって来た。時折吹きつける乾燥した北風が季節の移ろいを実感させるこの頃である。気がつけば今年の残り時間もあと3ヶ月を切った。冬の到来はすぐそこである。気候に敏感になりながら冬支度をそろそろ始めよう。
 空気が乾燥する頃に流行り出すのが風邪である。今年の風邪はお腹に来たりと意外としつこいようです。風邪は万病の元、放っておくと、肺炎や結核やその他もろもろの合併症になったりもする。うがいをするなど予防策を出来るだけとりながら注意をしていこう。
 また、これからの季節に不安を持っている仲間も大勢いると思う。とりわけ高齢の仲間や、病弱の仲間は尚更だ。生活保護を受ける「基準」と云うのが一律で決っている訳ではないのだが、新宿区の場合は、65歳以上の高齢の仲間、女性の仲間、長期疾病者で「就労不可」と医師から認定された仲間は、生活保護(ドヤや施設に入っての)の受給をすばやくやってくれる。寒くなる前の今の内に福祉の相談に乗るのも一つの手である。病気でも何でもそうだが、身動き出来ない位に困った時に助けを呼ぶよりも、事前にキチンと考えて何らかの手を打っておくのが必要である。自分の身体、自分の人生なのだから、自棄にならず出来るところから、一歩一歩前に進んでみよう。
 さて、新聞などで連日報道されているが、山梨県都留市の「朝日建設」(旧麻企画)の施設内で元従業員と見られる三名の白骨遺体が見つかった。会社は倒産し、社長は既に逮捕されているものの、まったく酷い話しである。最近の仲間はあまり名前を聞いた事がないと思うが、97〜98年頃、新宿駅周辺で頻繁に人をあげていた業者で、当時も賃金不払いなどかなりの悪名を轟かせた人夫出し飯場である。事件があったのは二〇〇〇年五月頃と云われているが、もし当時の事を知っている仲間がいたら、被害者の身元発見につながるかも知れないので教えてもらいたい。無縁仏にしたら殺された従業員達も浮かばれない…。
 仲間を馬鹿にし、こき使い、絞るだけ絞り取り、利用するだけ利用し、放り出す連中が、今の時代の流れか横行している。今回の事件もその氷山の一角である。まずは、自分の身は自分で守っていかねばならない。「旨い話しには必ず裏がある」。気をつけていこう。
 せち辛い世の中の象徴が俺たちのような者の存在なのかも知れないが、野宿者をこれだけ放置し、まともに働かそうとしない社会もまた同罪である。国会が解散し、今や街は選挙一色だが、先の国会での日本共産党議員団の「公的就労が必要ではないか?」との質問に対し、政府は(福田康夫名で)「失業対策事業等失業者を吸収するために国が実施する特別の事業は、就労者の滞留等の問題が生じるおそれがあることから、国の雇用対策として、これを実施することは適当でないと考えており、ホームレスの就業機会の確保のためには、民間企業における雇用の促進を図っていくべきであると考えている」と回答し、直接雇用の就労対策は行わないと言い切った。ならば民間での雇用促進をどのようにやるのかについてはウヤムヤにしたまま。何もしていないとまでは言わないまでも、政治がもっと変らなければ大胆な国からの施策は期待できそうもない。
 もちろん、だからと言って、俺たちは諦める訳にはいかない。これからの季節、どんな状況だろうが、一人ひとりの仲間が食って、生きていかねばならないからだ。
 新宿区の冬場の対策、懸案事項の追い出しの問題、東京都の新施策と「実施計画」をめぐって等、仲間が声を出していけねばロクな事にならない。今ある対策を有効に活用しながら更なる上乗せをつかみ取っていこう。追い出し問題に関する、新宿区との「話し合い」がその突破口である。仲間の命と寝床を守りながら、安心して働け、安心して住める場所を確保していこう!

深まれ 深まれ 秋
柏木公園追い出し問題について新宿区との話し合いが始まる。
「屋根と仕事」の保障こそ抜本的対策である。

 仲間たち。
 秋たけなわ。澄み切った青空が東京の街にも広がる日が多くなった。空気は凛として心地良い緊張感と充実感の中、もうじき落ち葉の季節へと深まっていくだろう。
 朝晩の涼しさも、もう「冷え込み」の域へと変っている。路上で生きるためには、もう冬支度である。すこしでも寝ていられる場所の確保と、ダンボールを重ねるなどの防寒対策、そして健康管理はしかっりとやっていこう。例年、冬に入る前に体調を崩す仲間が増えている。とりわけ持病をもっている仲間や高齢の仲間は要注意。もう「路上はきつい」と云う仲間は、福祉事務所の相談窓口(区役所2階)まで行き、これからの事を相談してみよう。65歳以上の仲間、女性の仲間は重い病気でなくとも、たとえ健康体でも福祉は取れる。もちろん何度も相談窓口に足を運ばなければならない場合もあるが、日々寒くなる今だからこそ無理をせずに、利用できる制度をしっかりと利用して行きたいものである。福祉は「一回切り」と云う事はないので、一度福祉を取った事がある仲間も「もう来るな」と言われた仲間も、粘り強く何度でも相談に行くようにしよう。
 福祉の事で分らないことがある仲間は、毎週月曜日、俺たちは福祉事務所に詰めているので気軽に相談をしてもらいたい。もちろん、風邪が長引いて医者に行きたい等の仲間の相談にも乗っている。病気の場合は若くても最低限医者には通わせてくれる。いろいろな機会を利用しながら健康管理もしっかりとしていきたいものである。
 さて、20日(月)には新宿区との「柏木公園追い出し問題」についての正式な「話し合い」が行われる。これからの季節、一方的に追い出されるのだけは御免である。きちんとした「話し合い」を行い、「対策なき排除」を今後一切行わないよう、また工事等、移動が必要な場合の「自立支援策との連携」の具体的な中身についてキチンとルール化をしていきたいと思っている。新宿区は大田寮などへの「優先的入寮」を行えば、それが「自立支援策との連携」だと主張しているようだが、それだけで充分な筈はもちろんない。仲間の困窮に追撃ちをかけるのであれば、それ相応の新宿区独自の施策もまた必要である。この件についての国の回答(共産党議員団の国会質問に対しての)は「同区から聴取したところによれば、同区の対応は、ホームレスの一時的な保護、心身の健康回復及び社会復帰の支援を行う施設への入所をはじめとするホームレスの自立の支援等に関する施策との連携を図りつつ行われており、これは、ホームレス自立支援法の趣旨に沿っていると認識している。」と云うものだ。まさにご都合主義的な説明を新宿区は国に対してしたようだ。柏木公園などは、工事先行、何の施策との連携もないまま追い出し計画が進められ、俺たちに指摘されてあわてて大田寮を準備したと言う事実すら隠ぺいしようとしている。最近たるんでいるとしか思えない新宿区に喝を入れ、冬を見据えた今後の対策姿勢を糺していきたい。
 一方の東京都の方は「屋根と仕事」につながる新事業を現在検討中とされているが、石原慎太郎東京都知事は、17日の定例会見で、代々木公園問題の質問に対し「公共施設の占有は由々しき問題」としながらも「追い出しじゃなく受け止める受容態勢を整える」と発言、新たな対策作りに意欲を見せている。確かに彼が言う通り「社会の一員」としてこのままの状態が良いとは俺たちも決して思っていない。しかし彼が評価する「青島君の排除」時の「受け止める受容態勢」は、たったの2ヶ月の施設収容でしかなく、仲間のこれからの生き様を受け止めるどころか、それを否定した、あからさまな排除ありきの姿勢であった。石原知事が当時の状況をどのように認識しているかはともかく、今の状況に対し「由々しき問題である」が、「追い出しじゃなく」かつ「受け止める受容態勢を整える」と発言した以上、それ相応の新事業を策定し、それを俺たちに返すべきだし、またそれをめぐって俺たちとの真摯な「話し合い」を行うべきであろう。俺たちは青島時代の乱暴なそれではなく、今の時代にあったまっとうな対策を期待し、仮に俺たちが納得する形でそれが実現されるのであれば、「社会の一員」としての義務をキチンと果たして行くつもりである。
 テント問題とは「路上生活者問題」の一部でしかない。そしてテント問題は、歴史的な行政の無策、無神経が反映したものでしかない。誰も好き好んでテント暮らしなどしていない。問題だ問題だと云う前に、自らの姿勢を反省すべきである。住民の「苦情」を理由に、ホイホイ追い出しをかける行政であるなら、俺たちは徹底抗戦するだけである。

自分のために頑張れ
新宿区との追い出し問題の交渉を行う。
テントの仲間、路上の仲間問わず暮らしに節度を持ち排除を未然に防ごう。

 仲間たち。
 公園の木々もところどころで色づき始め、秋の深まりを感じさせる。空気も澄み渡り、どこか緊張感も漂う晩秋の路上の始まりである。秋晴れの日でも朝晩はもう冷え込みと云って良いくらい冷たくなって来ている。防寒対策もきちんとしていかない事には体調も崩しやすい。風邪もかなり流行っているようなので充分に気をつけていこう。
 これから寒さが増していくと高齢の仲間や病弱な仲間はより一段と厳しくなってくる。寒さを凌ぐ目的で福祉にかかりたいと云う仲間も多いだろう。新宿区など東京の福祉では、65歳以上の仲間ならあまりうるさく云われずに生活保護はほぼ適用される。中には手続きさえすれば年金を生活保護費以上に多くもらえる仲間や、田舎に自分名義の資産が残っていたりする仲間もいるかも知れないが、そこら辺のこまかな点はゆっくりと相談を継続していけば良い。もっとも困ってしまうのが、保護を受けていたけれども、「自分で勝手に出てしまった」ような仲間である。生活保護は一回だけと云う決りはないので、建前上は何度でも受ける資格はあるのだが、流石に福祉の心証を悪くするとそうも云ってられない。とは言え命にかかわる問題なだけに解決方法はいくらでもあるので、そう云う仲間は是非じっくりと相談をして欲しい。
 65歳以上の高齢者以外でも女性の場合は年齢や体調を問わず保護をすぐにしてくれる。ちょっと辛そうな女性の仲間を見かけたら、福祉に行くよう声をかけてもらいたい。
 その他の仲間は一度病院に行ってから、病状を診断してもらった結果での判断となる。が、病気は外見では判らない所があるので、「とにかく調子が悪い」と云う仲間は一度福祉を通して医者にかかるようにしてみよう。とは云え病気の仲間はもちろん「病気が治るまで」の保護でしかない。
 生活保護と云う制度は、そもそも厳しい制度で誰でも彼でも保護しますと云う制度ではない。働ける人は働いて食っていくのが人間としての基本であり、働けるのに働かず福祉の金で一生食っていけるなんて事はあり得ないし、そんなに世の中甘くはない。
 11月1日から「生活保護費ピンはね業者」に対する国の規制が本格的に始まる。高齢者や女性ならともかくとして「保護を取ってやる」「無料で部屋を持てます」などと云う甘い言葉の勧誘に引っ掛かったら後で後悔するだろう。自立とは、自分の力で頑張ると云う事だ。そのために一時的な支援は受けられたとしても、後は自分の力で一生懸命頑張らなければならないのだ。精神的に支えてくれる人や一時的に支援してくれる制度があったとしても、それに甘え切ったら何にもならない。
 俺たちがかつて要求をし、作らせた自立支援センターも、4ヶ月の間だけは仕事探しと住宅確保のあらゆる支援を集中しましょう。だけれどもそこから卒業したら自分の力でとにかく頑張って下さいという仕切りである。4ヶ月と云う期間が長いか短いかと云う議論があったとしても、仕事を探しもう一度社会復帰したいと願う仲間にとっては、後腐れのないこう云う制度が必要だと思う。
 人生のどん底の状態から、自分の立ち直りのためにこれらの制度をどのように利用して這い上がって行くのか?「野宿になったのは社会が悪い?」そんな議論は政治家にでもやらせておけ。今は自分のために精一杯頑張ろう。それが、仲間のために必ずなって行くのだから。
 6日、新宿区と柏木公園等の追い出し問題についての「交渉」が行われた。柏木公園の仲間も参加してくれ真剣な議論が深まったと思う。中山区長は俺たちの「要望書」に対し「回答書」も出し誠意を見せた。役所は決して自分が間違っていたとは言わないものの、実質的に「今回の柏木型の排除は間違いであった」と認める内容である。けれども小公園などに対する住民の苦情が今も殺到している。ならば、住民の立場と、俺たち仲間の立場をどう調整して行けるのかを巡って議論が発展して行った。この難問に対する結論がすぐに出る訳もなく、継続して今後話し合う事が確認されたが、俺たちはこう思う。住民の側にエゴがあるよう、俺たちの側にもエゴがあるのではないかと。もちろんすぐに出ていけと言われても出ていける場所がない。これが俺たちの現状であるし、その支援体制も整ってはいない。しかしだからと言って居直ってしまう事が果たして良いのか?俺たちは節度を持って路上で暮らしている仲間を大勢知っている。ひっそりとだが、逆に堂々としている。そう云う仲間は「何故野宿をしているのか?」と住民に問われたら、理路整然と説明が出来る。「今は迷惑をかけているかも知れないが、自分も立ち直る努力をしている。できるだけ目立たぬよう、汚さぬようするので、ほんの少しだけ大目にみて欲しい」と。
 確かに俺たちを巡る環境は一向に良くはならない。けれどそこに留まっていたならば何の発展性もなくヒステリックな住民の声に押されあっと言う間に排除されるだけである。理不尽な排除にはもちろん反対するし、今回のよう交渉も続けるが、そのためには、理不尽であるとハッキリと言える俺たちでなければならない。
 この秋、俺たちのこれからのためにそんな事も考え、これからの俺たちに取って一番厳しい季節を迎えていこう。

己とのたたかい
今度の日曜日は、戸山、中央公園でボランティアの医師による医療相談会があります!

 仲間たち。
 早くも11月。今年も残すところあと二ヶ月となった。東京の紅葉も深まり、じょじょに落ち葉と北風の季節へと移り変っていくことだろう。朝晩の冷え込みも一段と進んでいる。昼間暖かい日もあるが油断をしているとすぐに風邪を引いてしまう。とりわけ夜中の身体を休む場所の確保はしっかりとやっていこう。体熱は地面から奪われるので、ダンボールや新聞紙を厚めに敷くなどの工夫もそろそろ本格的に考えていこう。
 冬場の対策強化について、連絡会は既に半年前から東京都や新宿区に要請をしている。これからの季節は人道的な観点が最も必要な時期である。まだ確定的ではないが12月から通常の大田寮宿泊(毎月一回の)とは別枠の2週間限定の厳冬期対応宿泊(宿泊場所は大田寮であるが)枠を五〇〇名分確保させ、12月から3月までの冬期、毎週一回ないしは隔週一回の受付を実施させて行きたい。またそれを利用しての生活保護の要件緩和を求め、高齢者や病弱者の積極的保護を実現させていきたい。今流行りのマニフェストじゃないが、俺たちは具体的な提言を掲げて常に計画的に要求行動を進めている。これからの季節は「高齢者、病弱者の命を守る仕組み」を最重要課題とし、いかに路上の冬を乗り越えられるかを最優先に考えていく。独自事業として12月からの毛布一〇〇〇枚配給も準備し、また年末年始の連日炊き出し等の取組みも準備を開始し、予定通り実施できる見込みだ。
 アリとキリギリスの童話じゃないが、先を見据えて行動する事が何よりも生き残っていくためには必要だ。付和雷同、諦め、無気力、優柔不断、場当たり的生活意識、これら己の意識が、これからの季節すべて敵になる。己とたたかいながら、自立支援事業、生活保護制度、厳冬期対策等を上手に活用し(自分が活用しなくても正確な知識と情報を他の仲間に伝え)、どうにかこうにか一歩、一歩前へ歩んでいこう。
 前回の福祉行動にも、65歳以上の高齢の仲間達が福祉事務所に来てくれ、それぞれ区内のドヤで、生活保護の受給を勝ち取ることができた。高齢の仲間や持病を持っている仲間は、これからは決して無理をする事はない。「一生役所の世話など受けたくない」と云う仲間もいるとは思うが、冬の間だけでも構わないから制度を活用していこう。何度も失敗して窓口で「あんたはもう世話しない」と宣言された仲間でも、冬場は厳冬期の大田寮などに入ってしまえば「再開」の道は拓ける。「押して駄目なら引いてみな」で、正面突破以外の制度活用の道はいくらでもある。10年来新宿福祉と対して来た連絡会には色んな知恵が蓄積されている。福祉の事で判らないことがあったら毎週月曜日(月曜日が旗日の場合は火曜日)の福祉行動で気軽に声をかけて貰いたい。
 自立支援センター卒業後に路上に戻って来て、もう一度自立支援センターを利用したい仲間は「自己都合退職」と云わずに「リストラされた」と堂々と言おう。リピーター(再利用)要件が「非自発的退職」に不当に制限されているのだから、それを逆手に取れば良い。これらは「ずるさ」と云うよりは「生きるための知恵」である。事実、大田寮には新宿の仲間が他の区から何食わぬ顔で多く入所している。大阪、横浜、東京の自立支援センターをハシゴしている強者さえ中にはいる。そこにチャンスがあればとにかく食らいつく。正当か不当かはともかくとして、その意気込みこそが必要なのであると思う。そして、そう云う仲間の意気込みの姿勢が、施設不足を浮き彫りにさせ、施設増設に拍車がかかる。来年3月には、自立支援センター渋谷寮と緊急一時保護センター江戸川寮がようやく開設される予定で、そうなれば新宿の枠もまた広がる。
 俺たちは、ただ批判のためだけに騒ぐ団体ではない。時には仲間に厳しい事も言いながら、仲間全体の利益のため、一人でも多くの自立のため、一つひとつ着実に施策を勝ち取って行き、そして行政だけに責任を追い被せるのではなく、自らの手でも最大限の力を発揮していく団体である。
 世は選挙一色だが、今後どんな政権になろうとも、俺たちは俺たちの歩みを続けていく。己とのたたかい、季節とのたたかいはもう目の前なのだから。

落ち葉は肥に
緊急一時保護センターでようやく就労支援機能が加わる。
今月下旬から職業相談員が配置され技能講習事業が開始。

 仲間たち。
 ここのところ秋らしい穏やかな気候が続いたが、今週あたりから寒さがグンと深まってくるとのことである。いよいよ冬型の気圧配置となり、そのまま年末へと突入し始める時期である。落ち葉と共に秋も散り、じょじょに冬へと移ろい始める。冬支度の方は少しは進んでいるだろうか?寒さと共に体調を崩す仲間も多いので、とにかく健康管理だけはしっかりと今の内にやっていこう。
 季節柄風邪も流行ってくるが、風邪薬や胃薬などの常備薬は、炊き出しの時やパトロールの時に必ず持ち歩いているので必要な仲間は声をかけてもらいたい。風邪も長引いたりするととかくやっかいでもある。肺炎や結核の恐れも出てくるので、微熱が続いたり、おかしな咳が止まらない仲間は、一度医者に行き、レントゲンをとってもらう事も必要だ。念には念を押して病気とたたかった方が良い。ボンボン大臣の麻生太郎が先日「ホームレスも糖尿病になる時代」と俺たちを馬鹿にした発言をしたが(もちろん、この暴言に対して俺たちは早速抗議声明を提出したが)、糖尿病は無知な連中が思うような「贅沢病」ではなく、規則正しい食事が出来ず栄養が偏ったり、すい臓や腎臓が衰弱しても発病する、放置すれば死に至る恐ろしい病気である。アルコール依存症、精神病などもそうであるが、「病気に対する偏見」を真に受け、医者にかかることを躊躇し続け、手遅れになるなんて事もよくある。医学的な知識が俺らにはさほどない以上、やはり専門分野のプロにまずは身を任せ、そこから自分の病状と向き合って行く必要があるだろう。
 保険証の有無や、住民票の有無はともかく、治療するお金がない仲間が、路上から医者に行く方法は①福祉事務所に相談に行き指定の病院を紹介してもらう②急場の場合は救急車を呼んで応急処置してもらう③大田寮など比較的入り易い施設に入って、寮から指定の病院を紹介してもらう。が一般的である。いずれも生活保護法という制度で対応できるので、高度な医療の場合でも入院した場合でも、本人の負担金はまったくいらない(麻生太郎は、急迫した路上生活者の医療対応だけは世界に引けを取らないと言えば良かったのであるが…)。致せり尽せりと思うかも知れないが、これが福祉(社会保障)と云うものである。病気になるのは本人が全て悪いわけではない。健康な人でさえ年を取ればどこかしらおかしくなる。だから、金がないからと云って治療を受けさせない社会はまったく不親切な社会である。幸いにして新宿区は医療に関しては割と親切な区である(その他の対応はともかくとしても)。
 だから、調子の悪い仲間、治療が必要な仲間は安心して福祉を通して医者にかかるようにしていこう。それでも一人じゃ不安と云う仲間も多いだろう。連絡会はそう云う仲間の後押しのため、毎週月曜日には必ず福祉事務所(区役所2階)に詰めているので「手続きの仕方がわからない」「自分の要望がうまく伝えられない」「担当とケンカしてしまった」等の仲間は、気軽に相談をして欲しい。
 もちろん、福祉では65歳以上の高齢者や女性は病気でなくとも保護はしてくれるのでご安心を。
 さて、長年の要望であった「緊急一時保護センター」(大田寮、板橋寮)内での就労支援機能強化にようやく明るい兆しが見えて来た。これまで大田寮に入った仲間から「一と月と云う約束だったのに、ニヶ月も待機させられた」「とにかくやる事がなくて身体がなまってしまう」「寮から仕事も探せられないのじゃ意味ないよ」等の意見が集中していたが、ようやく東京都、特別区は重い腰を上げ、緊急一時保護センターに職業相談員を配置する事に成功した。当面は職業紹介機能は付与しないとの事だが、技能講習事業は緊急一時保護センターから受けられる事になる。まだ充分ではないとは言え、緊急一時保護センターで身体を休める→緊急一時保護センターの残りの時間で短期の技能講習を受け自分に合った職種のスキルアップや事前学習をする→自立支援センターに移ってすぐに本格的に仕事探しをする→自立支援センターから通勤し、転宅の費用を貯める→アパートや都営住宅に転宅して地域社会に戻る。と云うスムーズな流れが出来る事になる。
 この技能講習は、俺たちの仲間、NPO新宿が請け負っている事業なので安心して受講出来る。これから大田寮に行く仲間は期待し、共にこの新たな施策を育てていこう。仲間の力で、仕事につながる対策を!と要求して作らせ、改善させてきた自立支援事業なのだから。
 

怯えず淡々と歩め
越冬の準備着々と進行中。越冬2週間無料宿泊受付スケジュール近日出る。
毛布配給は12/14日から。

 仲間たち。
 早いもので、もう11月も中旬。ぐんぐんと気温も下がりついに初冬の頃を迎えようとしている。肌身しみて感じるように、これからの季節が仲間にとって受難の季節となる。路上で暮らさざるを得ない切なさと辛さで押しつぶされそうになるかも知れないが、当たり前の事ながら人は生きなければならない。これからの季節を凌ぐ方法は数多くの先輩達が生き抜く知恵として編み出して来ているし、そう云う知識を背景に支援体制も長年の蓄積があり、行政施策もまた決して十分ではないものの強化されて来る。楽ではないものの、皆の力をふり絞ればどうにかなる。しんどいながらも、これからの季節を生き抜く覚悟を今のうちに整えていこう。
 新しく野宿に至った仲間もここに来て増えている。政府は景気は改善しつつあるとは云うものの、俺たちを取り巻く失業地獄は日々深刻化している事には間違いない。中高年齢者に対する有効な失業対策を打てない中、そして、ますます複雑化する社会の中、さまざまな原因で新たな人々が野宿に至ってしまう。これは不幸な事態であるものの、路上から見れば一つの時代の流れでもある。俺たちの力だけではこの流れを塞き止める事は出来ないものの、路上は社会の「終着駅」ではなく、不遇な人々が集う単なる現代の「停車駅」でしかない。列車はまだまだ動き出しそうもないが、しかし、そこから下車して一人で歩いて行く事は出来る。絶望が絶望のまま終わる事は滅多にない。良い時もあれば、悪い時もある。それが人生であると、俺たちは思っている。だから歩みを止める事なく果てしない路上で希望の一粒を探す旅を続けよう。要は諦めちゃあかんと云う事である。
 新しい仲間も、古い仲間も路上に来れば同じ仲間である。共に生きるための知恵を分け合い、助け合う時は助け合い、競い合う時は競い合い、どうにかこうにか命を落とさぬよう、また大きな事故などを起こさぬよう、この新宿の街で生き抜いていこう。
 これから空気が乾燥して来る。あまり思い出したくもないが、冬は火災がよく起こる。テントなどではロウソクの失火、カセットコンロのガス漏れ、煙草の不始末、路上でも通行人が捨てる煙草の火でダンボールハウスが全焼なんて事もあった。しかし、原因は何であれ火災事故と云うのはとにかく危険である。ブルーシートなんぞはあっと云う間に溶けてしまうし、乾燥したダンボールもすぐ火が上がる。そんな事故がないよう、火元の消火を確認してから横になる、各人ペットボトルや空き缶に水を入れて寝る時には枕元に置いておく、発見したら周辺の仲間が力を合わせて消火するなど注意をして行く必要がある。今年の冬は火災事故ゼロで乗り切りたいものである。
 空気乾燥と云えば風邪のシーズンでもある。パトロールに回っていても、とにかく風邪の仲間が最近は特に増えている。密室ではないので集団感染はあまりないものの、風邪も感染病なので体力の弱い仲間などにはすぐに広まってしまうし、肺炎、結核など他の病気も誘発する。人込みの中を歩いたらウガイをするなどの予防は是非ともしておいた方が良いだろう。
 もちろん、風邪の兆候が現われたら薬を飲むなり、医者に早めにかかるなりした方が良いだろう。市販薬はパトロールの時や炊出しの時に持って来ているので渡せるし、医者にかかりたい仲間は、毎週月曜日なら区役所2階の福祉事務所に連絡会のメンバーが詰めているので相談をして欲しい。新宿区は路上の仲間が医者に通院する事は健康管理のため推奨している。風邪以外の病気も早期発見、早期治療が必要だ。血圧が高めと云うだけでも厳しい季節の中、亡くなってしまう仲間もいるのでちょっとした身体の変化を見逃さず、福祉を通して医者にかかるようにしていこう。
 他方、急に身体が痛み出した。区役所まで行く力すらない。夜間で対応できない。などの場合は、迷わずに救急車を呼ぼう。救急車は自分で呼んでも一向に構わないし、治療費は後で手続きをすれば福祉でもってもらえる(運ばれた病院で「自分は野宿していてて払える治療費がない」と云えば大丈夫)。
 福祉事務所の紹介も、救急車の場合でも、新宿区には大きな病院が多いので、「町中のヤブ医者」に運ばれる事は滅多にない。看護婦の対応が悪い等々の事例はあるものの、それはそれで何を言われようと無視していれば良い(そう云う「したたかさ」を持とう)。
 それと、65歳以上の仲間、女性の仲間は、福祉に相談に行けば、病気でなくとも施設などでの生活保護を受給できるので、「これからの季節はキツイ」と思っている仲間は、早々に相談に行くようにしよう。
 12月の半ばからは例年の2週間無料宿泊事業も開始され、連絡会の毛布一斉配給初日も12月14日(日)と日取りは決まった。
 着々に冬越しの準備は進んでいる。あとは、仲間の相互扶助ネットワークがどこまで広げられるかだ。広い新宿区だがお互い連携しながら正確な情報を流しあい、「仲間の命を守る」時には一つにまとまろう。


北風が来た
いよいよ越冬、冬越しの準備は万端だろうか?
病気がちな仲間、高齢の仲間は、寒さに震える前に福祉へ駆け込もう!

 仲間たち。
 冬型の気圧が日本列島を覆い、北風が舞い込んで来た。いよいよ本格的な冬の始まりである。体調管理、寝場所の確保は大丈夫だろうか?とりわけ最近野宿生活を始めるようになってしまった仲間は、準備が遅れがちである。ここ数年東京は暖冬傾向であるとは云え、寒さで人が死ぬのが路上の怖さであり、現実でもある。都会の中だから暖を取れる所は沢山あると思ったら大間違いで、油断をすると本当に生死の狭間に迷い込んでしまう。
 嫌な話しだが、冬の間、寒さで亡くなる仲間の大半は持病を抱えている仲間、長期の野宿生活や高齢で体力が落ちている仲間である。割合健康で体力がある仲間でさえ路上の冬を越す事は一大事であるのであるから、病気の仲間や体力のない仲間が冬を越すとなると、言わずもがな。
 一つの油断や判断ミス、そして正確な情報不足が大変な事態にならないよう、本格的な寒さが来る前に一つひとつ、出来る事は万全な準備をしておこう。
 病気がちな仲間、高齢な仲間、障害者手帳を持ち2級以上の仲間、女性の仲間で「こりゃ、ちっよっとヤバイ」「冬を越すのが不安だ」と思っている仲間は、とにかく今の内に福祉に駆け込んで相談をしておこう。もちろん、病気がちな仲間は福祉を通して病院に通う。自分に合った薬を貰うなりして、いざと云う時に役立つように通院の手続きまでしておこう。病状が重ければ入院なり、施設に入っての通院なりの処置が取られるが、そうでない仲間は通院のみとなってしまう。けれど、いざ体調が急変して救急車を呼ぶなりした時には、病院のカードを作って、肌身離さず持っていれば、すぐにかかりつけの医者に行く事ができる。薬が切れた時もまた同じ。「自分がどういう病気で、どういう病院に通っている」と云う事が即座に分れば、救急隊員も医師もすぐに動いてくれる。病院のカードを無くしてしまったら、すぐに再発行してもらう。血圧が高いなんてのも、油断していると心臓に来たりするので要注意。とりわけ内臓疾患系の病気は寒さの中で悪化する事がよくある。
 冬の間だけでも福祉を取って凌ぎたいと云う仲間は、覚えていて欲しい。新宿福祉の内規では「65歳以上の高齢者」「通院している仲間で、医師が就労不可と認定した者」「障害者手帳2級以上の仲間」「女性の仲間」は、ドヤ(簡易旅館)や施設(更生施設等)での生活保護が優先的に受けられる。もちろん、その他の条件もあり、手続きもしなければならないので、数日かかる場合もあるが、冬場は当然ながら人道的な見地が働き、福祉の敷居も低くなる。病院から何度もトンコ(脱走)したりと云う「困ったちゃん」の仲間は、別途方法がない訳でもないので、我慢をせずに相談をして欲しい。
 福祉の窓口での対応が「けしからん」とか「ふざけるな」と思っている仲間もいるかも知れないが、彼、彼女等も人間であり、感情の行き違いなんてものはどこでもあるものである。役所の正しい使い方は「正直に言う」「自分の希望をはっきりと言う」、反論する時は「理路整然と言う」。これが肝心である。そして、なかなか上手く言えない場合とか、困った時は、連絡会。毎週月曜日(月曜日が旗日の場合は火曜日)に俺たちの仲間が福祉事務所に詰めているので、相談をしてもらいたい。
 誰からも後ろ指指されないように、正しく福祉を利用する。そのための支援を連絡会はしている。だから、時には福祉の職員以上に厳しい事を言うかも知れない。そして出来る事と出来ない事はハッキリと言う。制度を利用すると云う事は、恩情だけでは通用しないからだ(後で後悔をしたいのであれば、最近またぞろ中央公園に出没している「タダで泊めてやる」等の「福祉ピンはね悪徳業者」に騙され、ついていけば良い)。
 また、医者嫌いの仲間もいると思うけれども、新宿区は医療センターや東京医大など比較的大きめの病院を紹介してくれるので、他区に比べれば水準は高い方であり、治療等については問題になった例は少ない。ただし、自分に合う合わないと云うのはある事なので、そんな場合は正直に福祉の担当に言い、病院を変えてもらうようにしよう。理由がハッキリしていれば、簡単に変えてもらえる。「この病院どうなのかな?」など、紹介病院ランキングを聞きたい仲間も連絡会に相談してもらいたい。
 冬場の健康管理はとにかくしつこくこれから言って行くし、情報も多く提供して行きたい。もちろん、越冬期間中、医療相談会の回数を増やしたり、毛布を配ったり、年末年始の取組みを例年通り行ったりと、「仲間の命は仲間で守る」冬の独自の取組みをやりながらである。
 北風に負けず、とにかくこれからの季節、張りつめた気持ちを維持しながら頑張っていこう。

冬から冬へ
新宿区の厳冬期無料宿泊事業今年もトータル500名の宿泊枠を確保させる!
越冬医療相談次の日曜日!

 仲間たち。
 ここの所雨模様で気温が下がり、寒さで震える日が続いている。もう師走の風が吹き込み、早いもので年の瀬まであとわずかしかない。野宿には辛い日々がこれから控えているが心の灯だけは消さずに、これからの季節へ挑んでいこう。
 毎回伝えているが、これからの季節、高齢の仲間、病弱な仲間、女性の仲間など、俺たちの世界でも一番弱いい仲間の命を支えなければならない。俺たちはこれからの季節、福祉の徹底利用を訴えて行く。寒さで震える、高齢の仲間や病弱な仲間を放置しておくのなら福祉事務所の存在意味などない。65歳以上の高齢の仲間、病気で苦しんでいる仲間は区役所に行き、窮状を訴え、生活保護の制度を利用し、病院への通院、ドヤや施設での保護を勝ち取っていこう。
 幸にして新宿福祉は高齢の仲間や病弱な仲間を無下にする事はない。不安な仲間、役所嫌いな仲間は、俺たちが毎週月曜日、福祉行動と云って、仲間の保護申請を支えて行く行動を毎週行っている。窓口対応のちょっとした事でも構わないから、福祉に関する事、病気に関する事について相談に乗るので一声掛けてもらいたい。
 連絡会は来週から越冬体制に突入する。新宿での取組みは早十回目の取組みで、年々体制も強化されて来ている。医療相談の強化(今度の日曜日に戸山公園、中央公園での医療相談会を実施します。12月は3回の医療相談会を予定しています)、毛布無料配給(14日三〇〇枚、21日三〇〇枚を午後5時から中央公園の炊き出しの場所で配付します。今年は整理券なし)、パトロールの強化、広域化、そして23日越冬突入集会の開催、年末28日から来年の1月5日朝までの、集中越年の取組み(毎日、炊き出しやパトロールを実施し、緊急医療テント等を設営します)を予定している。
 他方、新宿区も、今年の厳冬期対応無料宿泊事業を俺たちの要求通り、通常枠と合わせて計五〇〇名枠を確保してくれた。この受付が18日から毎週木曜日に開始される。3週間〜2週間だけの宿泊だが、身体を休めるには利用価値のある対策だ。必要な仲間は大田寮での医療相談、通院や簡単な技能講習なども受けられる。
 これらの官民あわせた総合力で、この冬、新宿の仲間が凍死しないよう、飢え死にしないよう全力で支えて行く。とりわけ、この冬初めて新宿で冬を越す仲間、最近新宿に来た仲間などは、情報をしっかりと持ち、使える対策はどんどんと使い、そして知恵と勇気を振り絞りながら頑張っていこう。
 「仲間の命は仲間で守る」これが、新宿の一〇年来続いて来た合言葉だ。自分だけの命じゃない。自分だけ助かれば良いと云う世界でもない。みんなで乗り越え、みんなで生き延びる。そのために一人ひとりが出来ることは何でもやっていこう。仲間の一人ひとりが路上のボランティアになれば百人力である。弱った仲間に正しい情報を伝えるだけでも構わない。困った時だからこそ助け合い、支えあい、冬とたたかおう。

集えば暖かい
第10次新宿越年越冬闘争開始!
来週毛布無料配布300枚午後5時中央公園にて

 仲間たち。
いよいよ師走。あわただしくも越冬の季節に突入である。例年だと、冬の始めは寒冷前線が安定しない事もあり、気温の格差が極端に大きくなる。暖かい日でも夜になると北風が吹き始め真冬並になってしまう事も良くある。体調をここで崩すと大変な事にもなる。空気も乾燥がちなので喉をやられ、風邪も流行し、結核も流行る。乾燥に弱い肌の仲間などはヒフ関連の病気にもなりがちだ。
 越冬の俺たちの合言葉は「仲間の命は仲間で守ろう」だ。大げさに聞こえるかも知れないが、病気の仲間でも一つ間違えば、この季節は命にかかわってくる。風邪を引いて高熱が出る。市販の薬を飲んでも効かない。横になる場所すら限られている。たとえ横になれたとしても充分な暖は取れない。もちろん雑仕事すら出来ず、炊き出しにも出歩けない。こんな事になったら、風邪だけじゃなく、栄養失調にもなり、身体が弱ければ肺炎や結核になってもおかしくはない。そんな時に頼りになるのが、仲間であり、連絡会の越冬体制である。連絡会がいくら頑張っても、広い新宿見回るのだけでも限界がある。だから、もし、隣の仲間が、「熱を出して苦しんでいる」「調子が悪そうだ」と思ったら、見ず知らずの仲間でも、同じ路上の仲間だ。声をかけ、あまりに苦しそうだったら救急車を呼ぶ。それほどでもなかったら役所の場所を教えてあげる。知り合いの仲間や連絡会に連絡をしてみる。そんなチームプレーが「仲間の命をみんなで支える」と云う事だ。
 もちろん、連絡会の毎週月曜日の福祉行動はこの冬、毎週きっちりと行って行く。65歳以上の仲間、女性の仲間、身体障害者手帳3級以上の仲間は、病気でなくても生活保護が取れる。また、病院を紹介してもらいたい仲間もいつでも大丈夫だ。一人じゃ不安な仲間は月曜日午前中なら、連絡会のメンバーが区役所2階の福祉事務所に詰めているので、一声かけてもらいたい。
 連絡会は次の日曜日14日から毛布の集中配付を炊き出しの前に行う。各三百枚を予定している。今年は整理券はないが、午後5時に中央公園のいつもの炊き出しの場所に集まってもらいたい(雨の時は都庁下)。連絡会が毎年配給している毛布は行政の力を借りず、全国人々の暖かいカンパを元手に一括購入したものであるが、数には限りがある。大事に使い、昼間の保管場所もしっかりと確保しておこう(大きな収納袋も一緒に用意します)。
 また新宿区の厳冬期対応大田寮2-3週間無料宿泊事業も、18日(木)から始まる。新宿区枠の通常の大田寮は前回(74名並び10名入寮)で終了(但し、他の小さな区の随時募集が残っているので、そこを狙うのも手だろう)。年内は年末年始を挟んだ3週間の宿泊募集が2回、計70名確保されている。厳冬期の宿泊は、直前に通常の大田寮を出た仲間でも大丈夫。条件は「新宿区内に野宿している者」以外は一切ない。仲間の力で作らせた厳冬期宿泊事業もおおいに利用していこう。
 仲間の大きな輪(情報網と支え合いの気持ち)がありさえすれば冬は怖くはない!

北風の行方
厳冬期3週間無料宿泊18日(木)より40名枠でスタート。
医療相談会(中央公園のみ)は21日(日)。

 仲間たち。
 慌ただしい師走は、時もあっと云う間に流れて行く。今年も残すところあと2週間と数日。仲間にとって今年はどんな一年だったろうか?区切り区切りで、人生を振り返る事もまた大事である。寒さに震えるばかりでなく、厳しい現実の視点から考えていけるのも冬ならではである。
 風邪がとりわけ流行り出している。鼻風邪、喉風邪くらいならまだしも、熱などが出るとこれはかなりしんどい。寒けがするなどの症状が出たらちょっと気をつけた方が良いだろう。風邪薬なんてものは初期症状の時にしか効かないものである。ひどくなったら、福祉を通して病院を紹介してもらうようにしていこう。放っておくと風邪から肺炎や結核になってしまうなんて事もある。とにかく冬場は体力温存、あまり無理や我慢をしない事である。
 今度の日曜日には今月二回目の医療相談会が中央公園である。炊き出しの後、ボランティアの医師らが問診をしてくれるので、「ちょっと最近調子が悪い」と云う仲間は気軽に相談をしてもらいたい。冬場の福祉は、高齢の仲間や病気がちの仲間が当然ながら優先になる。「紹介状」を持って福祉事務所にいけば役所は対応をキチンとやってくれる。
 また18日(木)から厳冬期の短期無料宿泊事業が新宿区で開始される。場所は「大田寮」だが、昔の「なぎさ寮」とは違い、今は二段ベットのしっかりした宿泊施設になっている。もちろん、寮の中での医療体制なども充実しているし、三度の食事、洗濯、散髪、たばこの支給などのサービスもある。とにかく身体を休めたいと云う仲間には利用価値がある事業だ。但し、一回の定員が30名〜40名と限定されているので、抽選の結果、自分の思う時期に行けない事もある。一人一回しか行けない事業なので一度も入れないと云う事はないと思うが、入寮時期だけは、順番に利用して行くしかない。
 厳冬期の「大田寮」は直前に通常の「大田寮」を出てきた仲間でも利用できる。新宿区内で野宿している仲間なら誰でも利用できる仕切りになっている。但し、厳冬期の「大田寮」を利用した仲間は、通常の「大田寮」には来年4月1日以降でないと入れないとされているので、この点だけは注意をしよう。
 施設の枠問題はここ数年固定化しつつあるが、来年3月には自立支援センター・渋谷寮が開設され、また、緊急一時保護センター・江戸川寮も同時期に開設、千代田寮も開設に向けた動きが進んでいる。ここらが動き始めると、新宿の枠も今まで以上に広がる事が予想される。また、東京都の新たな「屋根と仕事」につながる対策も、来年度実施に向け検討が進んでいる。
 同じ事の繰り返しでは進歩がない。同じ事の繰り返しをやらざるを得ない状況から、一歩でも前を向き、新たな取り組みが出来るようにしていこう。
 冬場の対策、そして「屋根と仕事」につながる対策は、まだまだ不十分である。けれど、ヒステリックな悲鳴をあげるのではなく、どうしたら良いのかを、たまには冷酷な視線で考えていこう。冴すぎる冬の北風は確実に、明日へと吹き続けているのだから。

負けるか 冬に
28日より正月明け5日朝まで、中央公園ポケットパークが仲間の避難所。
越年越冬闘争いよいよ開始!

 仲間たち。
 今のところ暖冬基調とは云え朝晩の冷え込みは日一日と厳しくなっている。風邪のシーズンもピークを迎えつつあり、かなり多くの仲間が鼻をグズグズさせてたりする。普通の風邪ならまだしも、インフルエンザともなると高熱が出たりもするので特段の注意が必要だ。福祉事務所は年末26日までしか開いていないので、風邪の症状が思わしくなかったり、病気の仲間で年末年始分の薬をもらっていない仲間、そして「最近、どうも調子が悪い」と云う仲間は、早め早めに福祉に行くようにしよう。
 冬は、路上の仲間の中で、一番弱い仲間につけ込んで来る。それでなくとも寒さで体力を消耗するのだから、高齢の仲間や病気がちの仲間にはとてつもない打撃が加えられる。一番弱い仲間を基準に、一番弱い仲間から支えて行く。これがこの冬を越していく基本線である。年末までは福祉に。年末年始時は中央公園ポケットパークの医療テントへ。「いざ」と云う時にアタフタするのではなく、仲間が使える場所と制度をしっかりと覚えておこう。
 他方、誰でも使える冬場の対策も用意されている。18日から始まった新宿区の厳冬期対応無料宿泊事業である。25日(木)の受付が年内最後だが、来年も年明け早々、毎週木曜日にそこそこの人数が代わりばんこに入れる事業だ。初回は40名の枠に145名が並んだが、出だしは昨年よりも落ち着いている。3月まで実施しているので自分の入りたい時期を選んで身体を休めるために利用していこう。厳冬期宿泊場所である大田寮は2段ベットでロッカーも完備されているので昔の「なぎさ寮」よりは格段と設備は良くなっている。もちろん医療体制も施設の中にあり以前よりは安心して暮らせるシェルターだ。厳冬期の仲間は自立支援センターに行けない、技能講習制度を利用できないなどの制約はあるが、一時的な避難場所としては利用価値があるだろう。
 山谷の越年対策の「なぎさ寮」(1週間宿泊)も年末29日、30日と隅田川沿いのいつもの場所で受付があるが、今年は宿泊条件が例年よりも厳しそうなので、こちらの宿泊に行く仲間は注意して臨んでもらいたい。
 また、年末年始は、新宿越年の取組みをいつもの炊き出しの場所(中央公園ポケットパーク)で実施する。今年で10回目の新宿冬景色の恒例行事でもある。28日からの連日の夜の炊き出し(配食時間は7時)、連夜のパトロール、24時間体制の医療テントでの緊急医療体制、そして音楽会やら新春の餅つき大会などの総力体制を組んで、仲間の命を守る拠点にして行く。年末年始、行く場所もなく仕事もない仲間は、是非とも俺たちと一緒に越年拠点を守ってもらいたい。
 「仲間の命は仲間の力で」。誰かに「してもらう」「施される」関係ではなく、自らの力で、自らの境遇を変えて行くことこそが何に増しても大事な事だ。仲間が出来ることは色々とある。俺たちは決して無力な存在ではない。力を合わせる事でおおきな事業もできる主体である。
 共に厳しい年末を、少しでも暖かい年末に変えていこう。