新宿区の今年の冬の応急宿泊枠は120名

 93-94年の冬以来、毎年欠かさず実際されている都区の応急援護策「厳冬期宿泊事業」(かつての越冬対策)は、一時凌ぎとの批判をあびながらも冬場の寒さを凌ぐため、新宿の仲間を中心に利用され続けて来ました。昨年の新宿区の実績ベースば実数で400名近い仲間が厳冬期宿泊枠を利用しています。新宿地域で云えば、昨年の同時期と今年は人数的な多少の変動はあるが、基本的な背景はほとんど変っていません。対策的にも相談機能が拠点相談事業及び巡回相談事業として新規に実施されているが、これはあくまで相談機能の強化でしかなく、それに伴い生保枠が緩和されたとか、緊急枠が広がったと云う事もありません。そして今年度の「地域生活移行支援事業」は新宿区はエントリーをしましたが残念ながら落選し、現在隅田川を中心に、その他は小規模公園でまばらに行われているだけです。私たちが実施している炊き出しの数やパトロール時の調査でも、若干の減少傾向はあるものの、昨年とほぼ同じの数字となっています。こんな背景の中、どの程度の厳冬期宿泊枠をこの冬に提供できるか?新宿区の腕の見せ所と考えていましたが、本年11月に唯一の300名規模の大規模施設、緊急一時保護センター大田寮が閉鎖されたあおりを受け、12月6日から来年2月28日まで毎週の受付抽選会は実施するものの、実宿泊人数枠は120名枠、毎回10名枠と大幅に削られる事となりました。宿泊場所は緊急一時保護センター千代田寮であり、通常の自立支援事業と平行して冬の間だけ利用されます。千代田寮は定員62名と大田寮と違い小さな施設で、しかも新宿区のみではなく、他の区も使う関係上、大きな枠が取れません。
 しかし、今年の冬は暖冬傾向との事ではありますが、昨年のよう急に大寒波がやってくるなんて事も、暖冬でもよくある事です。福祉事務所ブロックごとの協議となり、新宿区単独でどうにかなる話しではないのは重々承知をしたとしても、多くの仲間を寒空の中に放置していく結果にしかならず、大きな問題を残すだろうと考えます。そのため、連絡会としては新宿の多くの仲間をこの冬、どうやって守るのかについて、なによりも官民あわせての協力が必要と、更なる新宿区との話し合いを継続しております。