異例の早咲きと爆弾低気圧のおかげで4月の桜はほとんど散り、早くも新緑の公園となってしまいましたが、連絡会の恒例行事「花見の会」は4月7日、250名近い仲間が集まり、無事執り行われました。
 当日の悪天候が懸念されましたが、偶然にもお昼時期はお花見日和。前日から炊出し班総力で作成したお花見弁当を中央公園を包囲してしまう程の行列に配り、いつもは立ちながら食べる食事も、今日だけは芝生広場のブルーシートの上で座りながら腹ごしらえ。お酒好きの仲間には祝い酒が配られ、和気あいあいと日頃の疲れを癒し合い、知り合い同士の宴会があちこちで開始。つまみもそれぞれに投入され、ワゴン車いっぱいに積まれたお弁当や食材はものの1時間ですべて完売。豊富な食べ物と飲み物に囲まれ、幸せいっぱいの時を過ごしました。

 この日は厳しい冬を乗り越えた区切り。例年以上の厳しい冬でしたが、連絡会調べで460名近くの新宿の路上の仲間達は、それぞれの地域でお互いに支えあい、何やかんや厳しい側面もありながら、どうにかこうにか冬の時期を乗り越えました。死と隣り合わせの路上の冬はとても緊張するものですが、我々支援する側もまずは一段落。喜びひとしおです。

 ホームレス問題(とりわけ路上生活者問題)はここ新宿では未だ継続されています。都区の自立支援システムは以前に比べ充実はしてきてはいますが、リピーター問題に象徴されるよう「底をすくう、大きな目の笊」にしかなっておらず、生活保護もまた同様にリピーター問題が多く発生しています。「解決」を目指して設計されたものに対する検証がない中で、笊から取り残された人々が新宿には多く存在します。景気も回復すると思われるこの時期、笊の目をどこまで細かく出来るのか?単に金をばらまき、「後はどうにかしろ」と云う前政権的なやり方ではない支援が求められています。

 今後の展開はまだまだ未知数ですがより緻密な路上生活者対策、そして民間の支援がどこまで実施されるのか、そして、全ての人が路上生活を余儀なくされる事がないような都市機能としての予防策がどこまで設置されるのかが、大きな課題として残っています。その実現を求め、そして行政に要望するだけでなく、自らの自己責任も自覚し、民間の側もまた切磋琢磨し、次なるステージに向かっていきたいと思います。